下品(読み)ゲヒン

デジタル大辞泉 「下品」の意味・読み・例文・類語

げ‐ひん【下品】

[名・形動]
品格品性が劣ること。卑しいこと。また、そのさま。「下品な人」「下品言葉遣い」⇔上品
品質の劣った物。⇔上品
[派生]げひんさ[名]
[類語]浅ましいさもしい卑しいはしたないあられもないしどけない下種下等低級低俗卑俗野卑低次元猥雑

げ‐ぼん【下品】

仏語極楽浄土に生まれる人を、能力資質の差によって上・中・下に3分した、その最下位。→九品くほん
下等。
「―の恋の句に一面滑稽味を帯びているのがある」〈寅彦俳諧の本質的概論

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下品」の意味・読み・例文・類語

げ‐ひん【下品】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 品質のおとった品物。下等の物。⇔上品(じょうひん)
    1. [初出の実例]「朝早くつみたる葉にて上茶を製す。おそくつみたる葉にて出来たるは下ひんなり」(出典:日本読本(1887)〈新保磐次〉二)
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐上神宗皇帝書〕
  3. ( 形動 ) 品性・品格がいやしいこと。いやしい行動や態度をとること。また、そのさま。⇔上品(じょうひん)
    1. [初出の実例]「畢竟、じゃうるりといふもの下品(ゲヒン)なる芸なれば」(出典評判記色道大鏡(1678)八)

げ‐ぼん【下品】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「げ」「ぼん」はそれぞれ「下」「品」の呉音 )
  2. 仏語。極楽浄土について、その浄土に往生するものの資質を上、中、下に分けたときの下位のもののこと。また、上、中、下の三つに分けたその下位の浄土。
    1. [初出の実例]「下品に持(たもつ)は戒をあやまちてたとへ悪道におつれども」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
  3. 能力、性質など、さまざまなことについて、等差を上、中、下の三つに分けた、その最下位のこと。下等。下等の階級
    1. [初出の実例]「下品の人には不娶じ、上品の人に娶がむ」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)

か‐ひん【下品】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 品質のよくない品物。
  3. 身分家柄の低い者。下層階級。げぼん。〔改正増補和英語林集成(1886)〕〔晉書‐劉毅伝〕

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