(読み)フ

デジタル大辞泉 「不」の意味・読み・例文・類語

ふ【不】[漢字項目]

[音](呉) (慣) [訓]ず
学習漢字]4年
〈フ〉
否定を表す語。…しない。…でない。「不安不意不可不快不義不吉不朽不幸不在不実不順不信不振不正不足不当不動不能不備不便不法不満不明不用不利不良
よくない。悪い。「不運不況不作不調不猟
〈ブ〉に同じ。「不精ぶしょう不粋
[難読]不拘かかわらず不如しかず不知不識しらずしらず不知火しらぬい不束ふつつか不如帰ほととぎす不味まず不見転みずてん

ふ【不】

[接頭]名詞または形容動詞語幹に付いて、それを打ち消し、否定する意を表す。
…でない、…しない、などの意を添える。「必要」「一致」「確か」「行き届き」
…がない、…がわるい、…がよくない、などの意を添える。「人情」「景気」「出来」「手際」

ぶ【不】

[接頭]名詞または形容動詞の語幹に付いて、それを打ち消し、否定する意を表す。
…でない、…しない、などの意を添える。「調法」
…がわるい、…がよくない、などの意を添える。「気味」「器量」

ぶ【不/附】[漢字項目]

〈不〉⇒
〈附〉⇒

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「不」の意味・読み・例文・類語

ふ【不】

  1. [ 1 ] 〘 接頭語 〙 体言につけて、それを打ち消し、否定する意を表わす語。
    1. (イ) 「…でない」の意を添える。「不確か」「不適当」など。
    2. (ロ) 「…がない」、「…がよくない」の意を添える。「不人情」「不品行」など。
  2. [ 2 ]ふさく(不作)」の略。〔名語記(1275)〕

ぶ【不】

  1. 〘 接頭語 〙 体言につけて、それを打ち消し否定したり、その内容がよくない意を表わしたりする語。無(ぶ)。「不細工」「不調法」「不恰好」「不器量」「不器用」など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「不」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音] フ・ヒ
[字訓] はなふさ・おおきい・しからず

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 仮借
否定・打ち消しの「ず」に借用する。字はもと象形、花の柎(がくふ)の形であるが、その義に用いることはほとんどない。〔説文〕十二上に「鳥飛んで上し、下り來らざるなり。一に從ふ。一はほ天のごときなり」とするが、卜文の字形には一を含むことがなく、鳥の翔ぶ形でもない。〔詩、小雅、常棣〕「常棣(からなし)の 鄂不(がくふ)(ゐゐ)たり」とある鄂不は柎、花のつけ根のところで、これが字の本義に用いる例である。金文に「不顯」とあるものは「丕顯(ひけん)」、「丕(おお)いに顕(あき)らかなる」の意。柎に実がつきはじめて丕となり、否・(ほう)となり、さけて剖判(ほうはん)となる。不・丕・否は通用することがあり、金文に「不(ひひ)」「不(ひひ)」のように用いる。

[訓義]
1. はなぶさ、へた。
2. 丕と通じ、大きい。
3. 仮借して否定語に用いる。ず、あらず、せず、なし、しからず、なかれ。
4. 否と通じ、いな、いなや。

[古辞書の訓]
名義抄〕不 セズ・イナ・ナシ・アラズ・イナヤ 〔立〕不 ヤ・セズ・ナシ・シカラザルニハ・マジ・イナヤ・アラジ 〔字鏡集〕不 イナ・ナシ・アラズ・イナヤ・スフ・セズ・コトハ

[部首]
〔説文〕〔玉〕に、否をこの部に属する。柎より、胚胎(はいたい)し生長する過程を不・丕・否・という系列で示すのであるから、これらの字は本来はこの部に属すべきものである。

[声系]
〔説文〕に不声として丕・・否・・坏・など十三字を収める。一下を「んなるなり」と訓するが、その字は不を形声化した字。胎、よく字の初義を存するものである。

[語系]
不・否piuは同声。否は不の実のふくらんだ形。弗piutは払戻の字。おそらく否定の声義をもつものであろう。否よりとなり、倍・培buはふくらみを加える意。剖ph、副phiukはふくらんで剖(さ)ける意。力を加えて剖くことを劈phyekという。みな一の語系をなすものである。

[熟語]
不顕・不安・不意・不不易・不一・不乙・不允不韻・不運・不懌・不億・不穏・不可・不佳・不快・不愨・不学不刊・不堪不軌・不・不羈・不義不誼・不給・不朽・不急・不共・不協・不恭・不不謹・不具・不虞・不遇・不屈・不群・不経・不恵・不敬・不慧・不稽・不・不・不潔・不虔・不験・不言・不辜・不公・不幸・不肯・不皇・不遑・不穀・不才・不材・不錯・不・不子・不私・不貲・不歯・不時・不二・不次・不弐・不慈・不識・不悉・不日・不実・不若不輸・不淑・不粛・不純・不順・不醇・不如・不祥・不称・不肖不浄・不常不辰・不審・不臣・不信・不尽不是・不世・不正・不斉不精・不宣・不然不測・不・不妥・不第・不端不断・不男不治・不智不忠・不衷・不弔・不調不通・不庭・不・不弟・不定・不貞・不悌・不迪・不敵・不天・不腆・不典・不殄・不図・不度・不当不党・不動不道・不徳・不佞・不能不抜・不備・不敏・不服・不物不文不平・不変・不偏・不弁・不便・不方・不法・不凡・不磨・不昧・不満・不眠・不明・不滅・不毛・不問・不夜・不予・不利・不理・不律・不慮・不良・不料・不倫・不類・不令・不禄・不和・不惑
[下接語]
鄂不

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