不例(読み)フレイ

デジタル大辞泉 「不例」の意味・読み・例文・類語

ふ‐れい【不例】

ふだんの状態とは違うこと。特に、貴人病気についていう。
「今度の御―は大事ありますまいか」〈倉田出家とその弟子

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精選版 日本国語大辞典 「不例」の意味・読み・例文・類語

ふ‐れい【不例】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ふだんの状態ではないこと。特に、貴人の病気についていう。不予。ごふれい。
    1. [初出の実例]「ふれい重くすべかりし女人は、旅の空にかくれましにしかば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
  3. 例にはないこと。ふつうには見られないこと。
    1. [初出の実例]「麿は上つ技なれど端午の出生、譲位は不例」(出典:歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)五立)

不例の補助注記

病気や妊娠など身体の不調を婉曲に表現する「例ならず」の漢文表記を音読してできた語と思われる。

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