ふ‐どう【不動】
[1] 〘名〙
① (形動) 物が動かないこと。ゆるがないこと。また、そのさま。
※正法眼蔵(1231‐53)行持「堅立不動にして、あくるをまつに、夜雪なさけなきがごとし」
② (形動)
信念・気持・考えなどが、しっかりとしていて動かないこと。
何物によっても精神を乱すことがなく、心が
安定してゆるぎないこと。また、そのさま。
※性霊集‐一〇(1079)詠十喩詩・詠水月喩「如々不動為人説、兼著如来大慈衣」
※再発(1960)〈
遠藤周作〉「この
理屈が不動のものではないことが」
※
正倉院文書‐天平九年(737)和泉監正税帳「不動壱万弐仟伍佰弐拾漆斛漆斗漆升」
※雑俳・柳多留‐六八(1815)「
中条の罪は不動を水にする」
[2]
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デジタル大辞泉
「不動」の意味・読み・例文・類語
ふ‐どう【不動】
1 動かないこと。「不動の姿勢をとる」
2 他の力によって動かされないこと。ゆるぎないこと。「不動の信念」
3 「不動明王」の略。
4 歌舞伎の隈取りの一。不動明王に扮するとき、青または赤を用いるもの。また、その時に用いる鬘。
[アクセント]1・2はフドー、3・4はフドー。
[類語]座り・安定・落ち着く
ふどう【不動】[歌舞伎]
歌舞伎十八番の一。元禄10年(1697)江戸中村座の「兵根元曽我」で市川九蔵(2世団十郎)が演じたのが初めとされる。寛保2年(1742)の「雷神不動北山桜」に「鳴神」「毛抜」とともに取り入れられ、2世団十郎が演出を確立。
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普及版 字通
「不動」の読み・字形・画数・意味
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ふどう【不動】
千葉の日本酒。酒名は、成田山の不動明王にちなみ命名。炭素によるろ過を廃止し火入れ殺菌を一度にとどめて醸造。純米酒、本醸造酒、普通酒がある。ほかに純米大吟醸生原酒、大吟醸生原酒、純米吟醸生原酒をそろえる「吊るし無濾過」シリーズがある。平成21、24、25年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は美山錦、総の舞など。蔵元の「鍋店(なべだな)」は元禄2年(1689)創業。本社所在地は成田市本町。酒造場は香取郡神崎町神崎本宿。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
不動
〔大薩摩〕
ふどう
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 作者
- 瀬川如皐(2代)
- 演者
- 杵屋六三郎(4代)
- 初演
- 文政4.3(江戸・中村座)
不動
(通称)
ふどう
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 元の外題
- 兵根元曾我 など
- 初演
- 元禄8.4(江戸・山村座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
不動
千葉県、鍋店(なべだな)株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。
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