不条理演劇(読み)フジョウリエンゲキ(その他表記)Théâtre de l'absurde

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精選版 日本国語大辞典 「不条理演劇」の意味・読み・例文・類語

ふじょうり‐えんげきフデウリ‥【不条理演劇】

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] Théatre de l'absurde の訳語 ) 世界における人間のあり方を不条理ととらえ、それを主題にする演劇。第二次世界大戦後のフランスを中心におこった前衛劇をさす。代表的な劇作家にS=ベケット、E=イヨネスコ、A=アダモフらがいる。旧来の演劇概念とは相容れないという意味で、アンチ‐テアトル(反演劇)とも呼ばれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不条理演劇」の意味・わかりやすい解説

不条理演劇
ふじょうりえんげき
Théâtre de l'absurde

1950年代にフランスを中心として興った前衛演劇。イギリスの演劇学者 M.エスリン著書『不条理演劇』 (1961) のなかで定義された概念で,それまでの演劇における反リアリズム的傾向の潮流が到達した一つの頂点といえる。不条理演劇では,第2次世界大戦後の社会は意味を失った混沌世界と認識され,アリストテレス以来の動機づけされた人物設定,論理的なせりふ,首尾一貫した筋という演劇構造を崩し,詩的イメージを用いることによって,コミュニケーションの不可能性,人間存在の不条理性を表現する。代表的作家に,E.イヨネスコ,S.ベケット,A.アダモフ,J.ジュネ,H.ピンター,E.オールビーらがおり,世界の現代演劇に与えた影響は大きい。

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