中央アメリカ連邦（読み）ちゅうおうアメリカれんぽう（その他表記）Confederación de las Provincias Unidas de Centroamérica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

中央アメリカ連邦
ちゅうおうアメリカれんぽう
Confederación de las Provincias Unidas de Centroamérica

中央アメリカ5ヵ国 (グアテマラ，エルサルバドル，ホンジュラス，ニカラグア，コスタリカ) が，1823～38年構成していた連邦共和国。スペイン植民地時代，この地域はグアテマラにおかれた軍務総監が管轄する単一の行政区分だったが，1821年に独立した。一時メキシコに併合されたのち，23年にあらためて中央アメリカ諸州連合の名で独立を宣言。 24年憲法制定，25年 M.アルセを初代大統領に選んだものの，グアテマラ市の連邦政府が5つの州に及ぼす力は弱かった。やがてサンサルバドルを本拠とする自由党が強大化し，29年党首 F.モラサンの率いる軍隊がアルセ政権を打倒した。モラサンが連邦大統領として反教権政策を強行したため，37年グアテマラで保守党の R.カレラが反乱を起して州政府を握り，モラサンを国外に追放した。この内乱を嫌った各州が 38年次々と脱退して独立共和国となり，連邦は自然消滅した。その後 20世紀初頭まで二十数回にわたり連邦再結成が企てられたが成功せず，1960年中央アメリカ共同市場結成により経済統合が試みられたが，1980年代の地域紛争の際には5ヵ国間の溝は再び深まった。

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中央アメリカ連邦【ちゅうおうアメリカれんぽう】

1821年メキシコ独立の際，グアテマラ総監領であった中米地方は一時メキシコに属したが，1823年分離して中央アメリカ連邦を形成。しかし内紛が相次ぎ，1839年グアテマラ，エルサルバドル，ホンジュラス，コスタリカ，ニカラグアの５国に分解した。
→関連項目エルサルバドル｜グアテマラ（国）｜コスタリカ｜サン・サルバドル｜ニカラグア

出典　株式会社平凡社

世界大百科事典（旧版）内の中央アメリカ連邦の言及

【中央アメリカ】より

…　また先スペイン期に多彩な原住民文化が存在したこの地域は，征服後はグアテマラ総督領の支配下におかれ(パナマを除く)，スペイン文化が輸入されたために独自の文化が失われ，農産物の生産地となった。同総督領は1821年に独立し，その後23年に中央アメリカ連邦が結成された。しかし分離主義勢力の台頭が目ざましく，39年に連邦は解体し，グアテマラ，エルサルバドル，ニカラグア，ホンジュラス，コスタリカの5共和国となった。…

【ニカラグア】より

…植民地時代に，農作物の生産地となる。1821年にグアテマラ総督領が独立を宣言するとともに，スペインから自由になり，短命に終わったメキシコ帝国の一部となったのち，23年に中央アメリカ連邦(〈中央アメリカ〉の項目参照)の結成に参加し，連邦が崩壊した38年にニカラグア共和国として自立した。イギリスは伝統的に東部海岸に勢力をもっていたが，アメリカも運河建設に関心を抱いており，50年のクレートン=バルワー条約で両国の対立は鎮静した。…

※「中央アメリカ連邦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」