ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中根千枝」の意味・わかりやすい解説
中根千枝
なかねちえ
社会人類学者。日本における社会人類学の草分け。津田塾専門学校を経て,1950年東京大学文学部東洋史学科卒業。1952年大学院終了後,同大学助手となる。1953年インドの国立人類学研究所の研究員となり,現地部族の実態調査に従事。野外調査を行ない,そこから得られたデータをもとにして社会構造を明らかにし,諸社会の比較を行なう社会人類学の実証的方法論を学ぶ。さらにイギリス,イタリアで研鑽を積み,1957年帰国,東京大学講師,助手を経て教授となる。1967年日本人のムラ意識,年功序列などを分析した『タテ社会の人間関係』を出版,国内外で高く評価される。1973年国際人類学・民俗学連合副会長。1980年東京大学東洋文化研究所所長。1986年民族学振興会理事長。1995年日本ユネスコ国内委員会会長。2002年東京女学館大学学長。著作に『未開の顔・文明の顔』(1959),『適応の条件』(1972),『社会人類学』(1987)などがある。日本民族学振興会渋沢賞(1965),国際交流基金賞(1987),紫綬褒章(1990),福岡アジア文化賞(1991),勲二等宝冠章(1998),文化勲章(2001)などを受けている。日本学士院会員,文化功労者。
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