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九条年中行事
くじょうねんじゅうぎょうじ
右大臣藤原師輔(もろすけ)の著で、年中行事、儀式、有職(ゆうそく)故実に関する書。『小野宮(おののみや)年中行事』より先に書かれた。父忠平(ただひら)の儀式作法、教命を受けて九条流の故実を完成させるために作成したものである。『小野宮年中行事』が先例の記述に詳しいのに対して、儀式作法そのものの記述が詳細。現存のもの(『群書類従』公事部所収)は、2月釈奠(せきてん)の末部から始まり、12月の一部に欠文があって追儺(ついな)の項で終わっている。この部分は『北山抄』『江家(ごうけ)次第』などによってその一部を補うことができる。
[山中 裕]
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九条年中行事
くじょうねんじゅうぎょうじ
平安時代の朝廷で行われた1年間の行事の解説書。1巻。藤原師輔 (九条殿) の著。成立年代未詳。巻首と巻末を欠き2~12月までの年中行事に,御服,御画 (ぎょかく) 事,詔書,覆奏事,廃朝事,雑穢事などを付記している。儀式の次第をおもに記しているので,朝臣が儀式に参勤するときの指導書として,『小野宮年中行事』とともに珍重された。『群書類従』所収。
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世界大百科事典内の九条年中行事の言及
【藤原師輔】より
…父忠平の故実を伝え,兄実頼の小野宮流とはその面でも競争関係にあった。《九条年中行事》《九条殿遺誡》や日記《九暦》を残している。960年病により出家し同年没した。…
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