…わら(藁)やシュロの毛を切って束ね,鍋や桶をみがき洗う道具。柳田国男《方言覚書》によれば東京でもいくつかの名で呼んでいたが,亀の子束子という商品が盛んに売れたため〈たわし〉となったといい,束子は当て字で意味は不明としている。さらに,東北で〈もだら〉〈もったら〉と呼ぶのは持ち手藁がつまったもの,岩手で〈とぎたら〉と呼ぶのは磨ぎ手藁,奈良で〈なわどら〉〈けどら〉というのは材料の縄,毛を冠したものであり,また〈ささら(簓)〉〈したら〉〈そうら〉と呼ぶ地方があるのは,ささらの名と混同したものと述べている。…
※「亀の子束子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」