日本大百科全書(ニッポニカ) 「五島美代子」の意味・わかりやすい解説
五島美代子
ごとうみよこ
(1898―1978)
歌人。東京生まれ。1915年(大正4)佐佐木信綱(のぶつな)に師事し、『心の花』に作品を発表。38年(昭和13)夫茂(しげる)と『立春』を創刊、『新風十人』(1940)に参加した。母としてのさまざまな愛憎の感情を、主観を強く押し出しつつ、叙情味豊かに歌う。57年『新輯(しんしゅう)母の歌集』(1957)で読売文学賞を受賞。ほかに歌集『暖流』(1936)、『丘の上』(1948)、『いのちありけり』(1961)、『時差』(1968)、『花激(たぎ)つ』(1978)など。
[佐佐木幸綱]
あぶないものばかり持ちたがる子の手から次次にものをとり上げてふつと寂し
『『定本五島美代子全歌集』(1983・短歌新聞社)』