ごりむ‐ちゅう【五里霧中】
〘名〙 (形動) (「
後漢書‐張楷伝」による語) 深い霧の中で
方角がわからなくなってしまうこと。転じて、
物事の
事情がまったくわからず、すっかり迷ってどうしてよいかわからなくなってしまうこと、手さぐりで進むことのたとえ。
※俳諧・三上吟(1700)懐旧七唫後序「流注顛倒、全堕二五里霧中一矣」
※
明暗(1916)〈
夏目漱石〉一三四「彼は今日迄其
意味が解らずに、まだ五里霧中
(ゴリムチュウ)に彷徨してゐた」
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デジタル大辞泉
「五里霧中」の意味・読み・例文・類語
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五里霧中
深い霧の中で方角がわからなくなってしまうこと。転じて、物事の事情がまったくわからず、すっかり迷ってどうしてよいかわからなくなってしまうこと、手さぐりで進むことのたとえ。
[活用] ―に迷う・―だ・―で。
[使用例] 彼は今日までその意味がわからずに、まだ五里霧中に彷徨していた[夏目漱石*明暗|1916]
[使用例] このところ、五里霧中で、すっかり、わたしの途方に暮れている、康楽寺の一代目の晩年の足跡を[花田清輝*小説平家|1965~67]
[解説] 「五里霧(=五里四方の霧)」の中という意味。「五里霧」はもと道教の術で、五里四方に霧をわかせるもの。
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五里霧中
ごりむちゅう
5里の間にわたって立ちこめる霧に巻かれたようだとの意で、前後を見極めがたく進退に窮すること、どうしてよいかわからないさまをいう。中国、後漢(ごかん)の張楷(ちょうかい)は生まれつき道術を好み、その術によってよく「五里霧」をおこすことができたと伝える、『後漢書(ごかんじょ)』「張楷伝」の故事による。
[田所義行]
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