亜高山帯(読み)アコウザンタイ

デジタル大辞泉 「亜高山帯」の意味・読み・例文・類語

あ‐こうざんたい〔‐カウザンタイ〕【亜高山帯】

植物垂直分布帯の一。高山帯山地帯との間。本州中部の山岳地方では標高1700~2500メートルに相当し、シラビソコメツガなどの常緑針葉樹が主に生育

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精選版 日本国語大辞典 「亜高山帯」の意味・読み・例文・類語

あ‐こうざんたい‥カウザンタイ【亜高山帯】

  1. 〘 名詞 〙 生物の垂直分布の一つ。高山帯と山地帯の間に位置し、特に植物において顕著な区分がみられる。日本の本州中部では高度一五〇〇~二五〇〇メートルで、通常コメツガ、トウヒ、シラビソなど針葉樹林を主とする森林が発達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「亜高山帯」の意味・わかりやすい解説

亜高山帯
あこうざんたい

垂直分布帯の一つで、高山帯のすぐ下方から高木林限界までの間をさし、亜寒帯に相当する。日本ではハイマツ帯がこれにあたる。湿潤山地では密集した低木群落で構成され、その樹種はカンバ類、マツ類、シャクナゲ、ツツジ類など、地域によって異なる。乾燥山地ではビャクシン類、メギ類などの団塊状の群落が散在する。別にシラビソ、トウヒなどの山地針葉林帯(山地針葉樹林帯)を亜高山帯とする考え方もある。

[大場達之]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「亜高山帯」の意味・わかりやすい解説

亜高山帯
あこうざんたい

生態分布」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の亜高山帯の言及

【森林】より

… 森林植生は,標高に応じた温度変化に伴い垂直的に変化する。暖温帯域では亜山地帯(照葉樹林帯),山地帯(落葉広葉樹林帯),亜高山帯(常緑針葉樹林帯),高山帯(ハイマツ帯,森林限界以上)に区別されている。北アルプスではおよそ500m,1700m,2500mがそれぞれ亜山地帯,山地帯,亜高山帯の上限にあたり,2500m以上が高山帯となる。…

【垂直分布】より

…植物の垂直分布は,植生の変化とそれによってつくり出される相観の変化によって,いくつかに区分されたもので,垂直分布帯と呼ばれる。日本ではふつう低地から順に,標高500m以下の照葉樹林域を地形によって低地帯,丘陵帯,標高500~1500mの夏緑広葉樹林域を山地帯,標高1500~2500mの針葉樹林域を亜高山帯,標高2500m以上の高木群落のないところを高山帯などと区別する。動物の分布は植生の垂直分布の変化に従って変わる。…

※「亜高山帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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