交代寄合(読み)コウタイヨリアイ

デジタル大辞泉 「交代寄合」の意味・読み・例文・類語

こうたい‐よりあい〔カウタイよりあひ〕【交代寄合】

江戸幕府職名寄合うちで、老中の下に属し、譜代大名並みの待遇をうけ、参勤交代義務を負ったもの。

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百科事典マイペディア 「交代寄合」の意味・わかりやすい解説

交代寄合【こうたいよりあい】

江戸幕府武家の職・家格。寄合(3000石以上で無役)の旗本でありながら参勤交代を行い,大名並の処遇を受けた。老中支配。大名の名跡を継ぐ家,名家子孫,大名分知による取立などの由来があり,3000石未満の小普請身分で列せられた者もある。表御礼衆(おもておれいしゅう)20家,那須衆4家ほか美濃衆三河衆信濃衆などに分かれ,幕末には33家があった。

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世界大百科事典 第2版 「交代寄合」の意味・わかりやすい解説

こうたいよりあい【交代寄合】

江戸時代,武家の家格。老中の支配下にあった。知行高は1万石未満でありながら大名なみの待遇を得,所領に居住して江戸に留守居を置いた。隔年か数年ごとに参勤交代をし,江戸城中では帝鑑間,柳間に席を占めた。表御礼衆20家(うち1家は1836年より新規),那須衆4家,美濃衆3家,信濃衆3家,三河衆2家に分かれ,ほかに2家があった。制度的起源はつまびらかではない。各家の由緒により,榊原氏(駿河久能),朽木氏,五島氏など軍事的要所守衛の任務を帯びた家,大名の分家菅沼氏生駒氏・最上氏など大名家断絶後その名跡を継ぐ家,山名氏岩松氏・松平氏(三河松平)など古い血統を誇る家,その他に分類できる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「交代寄合」の意味・わかりやすい解説

交代寄合
こうたいよりあい

江戸幕府の職名。1万石以下 3000石以上の非職の旗本で幕府と特殊な関係にあった家で,老中の支配に属し,身分,格式譜代大名に準じ,領地に常住したが,隔年に参勤交代した。菅沼氏 (三河,7000石) ,生駒氏 (出羽,8000石) ,山名氏 (但馬,6700石) ,芦野氏 (下野,3016石) ,高木氏 (信濃,2700石) など三十余家があった。

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世界大百科事典内の交代寄合の言及

【高木氏】より

…歴代当主の多くは大番頭を最高職とし,奏者番に至る者もあった。(3)交代寄合美濃衆。信光15代の孫貞政を初代とし,3家に分かれ,代々木曾三川治水を奉行した。…

※「交代寄合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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