精選版 日本国語大辞典 「人工甘味料」の意味・読み・例文・類語
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食品添加物として使用を認められている化学的合成品を主とする甘味料。合成甘味料ともいう。現在までに開発された人工甘味料には、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ズルチン、サイクラミン酸ナトリウム(チクロ)、グリチルリチン酸塩、D-ソルビトール、D-キシリトール、スクラロース、アセスルファムカリウムなどがある。ズルチンとチクロは発癌(はつがん)性などその安全性に疑いが生じたため、使用が禁止されている。サッカリンとサッカリンナトリウムは砂糖の約500倍の甘味をもつ。トルエンを酸化する方法で製造され、サッカリンはチューインガムに、またナトリウム塩はアイスクリーム類、菓子類、清涼飲料、漬物、佃煮(つくだに)、魚加工品、ジャムなどの食品に使用が許可されている。アメリカにおいてサッカリンに発癌性があるとされたこともあったが、現在はサッカリン自体に発癌性はないとみられている。しかし、不純物のo(オルト)-トルエンスルホンアミドに関して厳しい規制が設けられている。日本では食品衛生法により最大使用量が定められている。
アスパルテームはアミノ酸のL-アスパラギン酸とL-フェニルアラニンを結合させてメチルエステルにしたものである。体内ではもとのアミノ酸になるが、フェニルアラニンを分解できないフェニルケトン尿症の人のために含有する旨の表示が義務づけられている。熱に弱いので一般の調理には使用しにくいが、甘味が砂糖の味にきわめて近いので、清涼飲料や食卓での甘味料などに使用される。
また、完全な化学合成品ではないが、天然の糖を原料としてつくられる糖アルコールも食品添加物として認められ、広く用いられている。ブドウ糖に水素を添加したソルビトールは、消化吸収されないためダイエット食品や肥満、糖尿病などの際の甘味料として使用されているが、下痢を生じやすい欠点がある。吸湿性があり、菓子や加工食品に柔らかさを与えるため砂糖と併用されることもある。またむし歯をつくらない新しい甘味料として注目を集めているキシリトールは、おもにフィンランドで生産されているが、日本では1997年(平成9)に食品添加物に指定された。ガム、キャンディーなどの菓子類、歯みがき剤、洗口剤、糖尿病用の食事や術後の輸液などに使われている。グリチルリチン酸塩は甘草(かんぞう)を原料としたもので、みそ、しょうゆにのみ使用が許可されている。
[河野友美・菅野道廣・山口米子]
『吉積智司他著『甘味の系譜とその科学』(1986・光琳)』▽『シーエムシー編・刊『機能性甘味料の全容』(1988)』▽『東京都消費者センター試験研究室編『試買テスト・シリーズ3-11 食品中の甘味料及び品質保持剤等』(1993・東京都消費者センター)』
(2014-9-24)
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…化学的に合成された甘味をもつ化合物のことで,人工甘味料ともいう。化学構造と甘味との関係は古くから研究されているが,アルデヒド基-CHO,オキシム基-CH=NOH,ハロゲン基,アミノ基-NH2,スルホ基-SO3H,トリアジン核,スルホアミノ基-SO2NH2,水酸基-OHをもった化合物がおおむね甘味が強い。…
※「人工甘味料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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