乳児が見慣れぬ人に対して恐怖を示し、あるいは泣き出す現象。この現象は、いままで自分の養育にあたってくれた親しい人、とくに母親と見慣れない人とを区別する能力が現れたことを意味する。それ以前の乳児は、人であればだれでもそばにいてくれるだけでよく、多少は父と母との間で、あるいは他人に対して反応が異なるが、それはあまり目だつものではない。ところが生後6か月前後から、見慣れている人とそうでない人とをはっきり区別するようになる。これは当然、視覚の発達に負うところが大きく、目で人の顔の輪郭の違いを正しく認識するようになることが必要である。同時に、情緒の発達として、従来の生理的欲求の表現としての泣く現象が、対人関係について泣くように変わる。すなわち、人見知りの発現は、社会性の発達とともに、感情が情動から情緒へと発達したことを示し、重要な発達の指標である。しかし、人見知りはつねにかならず現れるわけではなく、その現れ方もかなり個人差がみられる。また、自閉児や施設で育った子供には、人見知りの時期を経ないものが多い。
[山崖俊子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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