介抱(読み)カイホウ

デジタル大辞泉 「介抱」の意味・読み・例文・類語

かい‐ほう〔‐ハウ〕【介抱】

[名](スル)
病人・けが人・酔っぱらいなどの世話をすること。看護。「手厚く介抱する」
助けてめんどうをみること。保護。後見。
亀屋の世継忠兵衛…敷銀しきがねもって養子分、後家妙閑の―故」〈浄・冥途の飛脚
[類語]看護介添え養護看病世話心配扶助扶育御守おも付き添い介助介護面倒見めんどうみケア

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「介抱」の意味・読み・例文・類語

かい‐ほう‥ハウ【介抱】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 助けいだくこと。世話をすること。保護すること。
    1. [初出の実例]「さとさま御かいはうをわすれ、貴所とおやこのけいやくをちかへ、ふさた申へき心中無之事」(出典:上杉家文書‐(年未詳)(室町)一〇月一二日・直江重光兼続自筆起請文案)
    2. 「志村、むかさをかいほうして宿をかし懇するほどに」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品四七)
  3. 傷病者、よっぱらいなどを看護すること。
    1. [初出の実例]「『したたかに腰を打た』『夫は気のどくな事で御ざる。それへ参て、御介抱申度うは御座れ共』」(出典:虎寛本狂言・止動方角(室町末‐近世初))
  4. 江戸時代、遠島(おんとう)に処せられた者に家族、召使などが島まで付き添っていき、その面倒をみること。
    1. [初出の実例]「右嶋え附添罷越、父之介抱仕度旨、奉願候段」(出典:御仕置例類集‐古類集・二・天明八年(1788)御渡)
  5. 江戸時代、幕府蝦夷交易のこと。御救交易ともいう。蝦夷を介抱するという意味であるが、実際には与えるところが少なく、得るところが大であったという。
    1. [初出の実例]「カラフト嶋蝦夷人共え交易介抱相始め候番所補理之年暦」(出典:休明光記附録一件物(1807)三)

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