仕手方(読み)シテカタ

デジタル大辞泉 「仕手方」の意味・読み・例文・類語

して‐かた【仕手方】

能楽師うちシテシテヅレ子方地謡後見などを専門に務める者。また、その家柄観世宝生金春こんぱる金剛喜多五流がある。→ワキ方
[補説]ふつう「シテ方」と書く。

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精選版 日本国語大辞典 「仕手方」の意味・読み・例文・類語

して‐かた【仕手方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 能楽の主人公であるシテ役を演ずる役者。また、その系統の諸役、シテ、シテツレ、子方、地謡方を総称していうこともある。
    1. [初出の実例]「徳右衛門は、〈略〉仕手がたを仕たる事もなく」(出典:わらんべ草(1660)五)
  3. 職人。職工。
    1. [初出の実例]「棟梁はじめ仕手方(シテカタ)の与四さんやわたしの亭主、一緒に行った十人の大工は」(出典歌舞伎宇都宮紅葉釣衾宇都宮釣天井)(1874)四幕返し)
  4. 江戸時代に湯屋、髪結床などの権利を他人から借りて商売をする人をいう。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

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