(読み)タ

デジタル大辞泉 「他」の意味・読み・例文・類語

た【他】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]ほか あだし
学習漢字]3年
当面のものや自分以外の事柄ほか。ほかの。「他国他日他社他人他方他力たりき自他諸他排他利他
あるべき心と違う。「他意他心
[名のり]おさ・ひと
難読他所よそ

た【他】

示されたもの以外のもの。ほか。「は推して知るべし」「チーム」
自分以外の人。ほかの人。他人。「迷惑を顧みない」
ほかの場所。よそ。「住所に移す」
[類語]ほかよそ他所たしょ他人ひと他者余人よじん人様ひとさま

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「他」の意味・読み・例文・類語

た【他】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 特定の事物や場合と別であること。また、その事物、場合。ほか。べつ。
    1. [初出の実例]「其の日頃は〈略〉相撲の事をのみ、たの御心なく、日の近くなるままに、急ぎて日々に参り給ふ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
    2. [その他の文献]〔孟子‐梁恵王〕
  3. 特定の人以外の人。ほかの人。自分以外の人。また、自分の親族以外の人。血縁のない人。別人。他人。⇔自(じ)
    1. [初出の実例]「朝恩のたにことなるを忘れて、みだりがはしう君をなみし参らせさせ給はん事、神慮の程はかりがたし」(出典:中院本平家(13C前)三)
    2. [その他の文献]〔白居易‐酬思黯戯贈詩〕
  4. 外の事を思いめぐらす心。その事にそむき裏切るような気持。あだしごころ。ふたごころ。二心(にしん)。〔詩経‐鄘風・柏舟〕
  5. ほかのところ。また、ほかの家。よそ。他所。「居を他に移す」
    1. [初出の実例]「父死去の後、母他(タ)へ嫁(か)して死去の時は、定式(でうしき)服忌」(出典:昼夜重宝記(1690)神祇)

あだ【他・異】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あだ(徒)」と同源か ) よそ。ほか。べつ。→あだし〔語素〕
    1. [初出の実例]「他 アダ 非我事」(出典:天正本節用集(1590))

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