か‐し【仮死】
〘名〙 生理的
機能が極度に弱まり、
人事不省、脈搏微弱、
顔面蒼白など、死んだような
状態。〔医語類聚(1872)〕
※土(1910)〈
長塚節〉六「蛙は仮死
(カシ)の状態から離れて」
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デジタル大辞泉
「仮死」の意味・読み・例文・類語
か‐し【仮死】
死んだように見えるが、実際には生きている状態。一般に、意識がなく、呼吸が止まっているが、心臓は動いており、瞳孔反射がみられる。
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仮死
かし
疾病と、その結果としての死との過程を考えた場合、死の状態と認識されても、適切な処置などによって可逆的に生活現象を認める状態に戻ることがあり、これを仮死とよぶ。疾病はWHO(世界保健機関)分類により、消化管系、血液系、肝胆道系、神経系、呼吸器系、循環器系、腎(じん)、内分泌、膠原(こうげん)病、その他など、多種に分類されるが、いずれの疾病も死に至る過程では、異なった基本的病態を示すわけで、これを死因とよんでいる。死因には、消耗、呼吸不全、心不全、中枢障害、貧血(低酸素)、水・電解質などの代謝異常、ショック、事故などの例があげられる。このうち、ショック、麻酔などによって呼吸、心機能が完全に停止し死の状態に陥っても、ただちに人工呼吸、心臓マッサージなどの適切な処置をとることによって、それらの機能を取り戻すこと、つまり仮死の状態にすることが可能となる。なお、死直前の状態を死戦期とよんでいる。
[渡辺 裕]
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かし【仮死 suspended animation】
外見上,呼吸や心臓がとまっているように見えるが,実際は生きていて,ふたたび生き返る可能性のある状態。主として外観上の所見や状態にもとづき名づけられたもので,必ずしも厳密な医学的基準による名称ではない。したがって,呼吸や循環の機能が極度に低下していて,通常の方法では確認が困難な場合を指すことが多い。水におぼれた場合や寒さにさらされた場合,あるいは感電の場合などにおこる。分娩の過程で呼吸障害がおこり,新生児がこの状態で生まれてくる場合を新生児仮死という。
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仮死【かし】
外観上生活現象が認められないが実際は生存している状態。人為的あるいは自然に再び生活現象が認められるようになる。生活現象として一般に呼吸運動と心拍動が重視され,その双方あるいは一つが全く停止するか,ときにはきわめて微弱な場合を含めて仮死という。ショック,麻酔時,溺水(できすい)などの窒息,難産新生児,飢餓状態,極度の寒冷状態などで見られ,放置すると死亡することが少なくないが,人工呼吸,心臓マッサージなどによって蘇生させられる。
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仮死
かし
apparent death
生体機能の極度の衰弱により,外観では生活現象を認められず,生きている徴候を客観的に確認できないが実際にはまだ生存している状態をいう。呼吸運動や心臓拍動はもちろん,心電図や脳波測定も表面的な現象をとらえるにすぎないので,外観上,真の死と仮死を明確に区分することができない。
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普及版 字通
「仮死」の読み・字形・画数・意味
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仮死
呼吸や心拍が微弱で,死んでいるようにみえる状態.一般的に脳に十分な血液の供給がないために起こる.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報