伸し上る(読み)ノシアガル

デジタル大辞泉 「伸し上る」の意味・読み・例文・類語

のし‐あが・る【伸し上(が)る】

[動ラ五(四)]
他をおさえて地位などが急に上がる。「一躍スターダムに―・る」
横柄な態度で上へあがる。
布団に―・り、やあ誰ぞ寝たやら暖かな」〈浄・万年草
つけあがる。
「―・ったつら見れば」〈浄・淀鯉
[類語]現れる出現する現出する登場する現前する顕現する生ずる現ずるのぞ出来る台頭デビュー誕生登板お目見え躍り出る頭角を現す頭をもたげる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「伸し上る」の意味・読み・例文・類語

のし‐あが・る【伸上】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 人の弱みにつけこんでいばる。つけあがる。
    1. [初出の実例]「旦那の身代からにして今のやうな雑言。のしあがった面見れば火に入ことも思はれぬと涙を流すぞ道理なる」(出典:浄瑠璃・淀鯉出世滝徳(1709頃)上)
  3. のさばって上へあがる。横柄にかまえて上へあがる。
    1. [初出の実例]「蒲団にのしあがり、ヤア誰ぞ寝たやら暖かな」(出典:浄瑠璃・心中万年草(1710)中)
  4. 他をおさえて地位が次第にのぼる。身代が次第にゆたかになる。
    1. [初出の実例]「もし出世でもしたら仲間への付届、分前取ふと思ふて来た。のらのらとのし上って、旨い目に逢ふな」(出典:歌舞伎・傾城飯綱八文字(1758)大切)
  5. 氷が厚く重なって持ち上がる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例