精選版 日本国語大辞典 「位相」の意味・読み・例文・類語
い‐そう ヰサウ【位相】
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数学と物理学の二義がある。
(1)数学用語 集合の点の間の遠近を表すのに、距離や近傍(きんぼう)などを用いるが、問題に応じてこれらの概念が定義されたとき、位相あるいはトポロジーtopologyが定義されたという。位相は、位相数学あるいはトポロジーとよばれる数学の新しい分野の略称としても用いられる。その発生は20世紀になってからである。二つの図形A、Bの間に1対1の対応があり、これが双方から連続なとき、AとBは同位相であるという。位相数学は同位相な図形に共通な性質や量を研究する学問であるといわれている。最近は代数学や解析学とも関連して、位相代数学、関数解析など新しい分野としても発展している。
[洲之内治男]
(2)物理学用語 単振動において、経過した時間に比例して増大する量で、時間が1周期だけ経過して同じ運動が繰り返されるたびに、振動の位相phaseは360度だけ増大する。x軸上で単振動する点の時刻tにおける位置xは、コサイン(余弦(よげん))関数を用いて、
x=Acos(ωt+α)
と書ける。ここに、Aは振幅、右辺の括弧(かっこ)内の量ωt+αが振動の位相である。ωは角振動数で、360゜×振動数に等しい。αは時刻ゼロにおける位相である。x方向に進む平面波においては、波動を表す関数uの位置x、時刻tにおける値が、
u=Acos(ωt-kx+α)
と書ける。右辺の括弧内の量ωt-kx+αが波動の位相である。kは波数で、360゜÷波長に等しい。この平面波では、x軸に垂直な平面上では位相の値が等しい。このような同一位相の曲面(波面)が速度=ω÷kで進行する。この速度は振動数×波長に等しく、位相速度とよばれる。
[飼沼芳郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…一般の集合についても,それにある種の構造を与えることにより,極限や連続などの概念が定義でき,これらについての理論を展開することが可能となる。このような構造を位相といい,位相の与えられた集合を位相空間という。平面上の点集合のように,2点間に距離が定義されている距離空間Eでは,距離の概念を用いて“近さ”や“近づく”といった概念が定義され,位相が定まる。…
…αを初相という。なお,(ωt+α)を振動の位相と呼ぶ。ω,T,νは働いている力の性質で決定されるが,Aとαは運動がどのように開始されたかによって決定される。…
…自由度nの系の微視的状態は,一般化座標q1,q2,……,qnおよびこれらに正準共役な運動量p1,p2,……,pnによって指定する。ある時刻tにこれら2n個の量がとる値の組を系の位相と呼び,可能な位相の集合である2n次元ユークリッド空間を位相空間という(この位相空間をP.エーレンフェストはΓ空間と呼んだ)。この空間内の確率分布ζ(q1,……,qn,p1,……,pn,t)の形で統計集団が規定される。…
…集合上に〈近さ〉とか〈近づく〉といった概念で表される構造が与えられると,その集合上で極限や連続について論ずることができるが,このような構造をトポロジー(訳して位相)と呼ぶ。また,この構造が内容や方法上で問題となる数学のことを広くトポロジー(訳して位相数学)と呼ぶこともあるが,ふつうはもっと狭く,図形の位置や形状に関する性質で,図形を構成する点の連続性にのみ依存するものを研究の対象とする数学のことをトポロジー(訳して位相幾何学)と呼ぶ。…
※「位相」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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