1981年10月1日,住宅・都市整備公団法に基づき設立された特殊法人。昭和50年代に至り日本では住宅の絶対的戸数不足は解消されたものの,質の向上に対する要望は依然として根強く,また都市化のいっそうの進展を考慮すると,今後の住宅・都市政策は住宅・宅地の供給と都市の整備との関連に十分配慮しつつ,これらを総合的・一体的に推進していくことが緊急の課題とされた。このためそれまで住宅・宅地の供給および健全な市街地の整備を推進してきた日本住宅公団(1955設立)と宅地開発公団(1975設立)とが統合され,新たに住宅・都市整備公団が設立された。公団の業務は大都市地域を重点として,(1)住宅の建設,賃貸および譲渡,(2)宅地の造成,賃貸および譲渡,(3)公共施設,利便施設等の整備,賃貸および譲渡,(4)健全な市街地造成のための土地区画整理事業,新住宅市街地開発事業等の施行,(5)都市の再開発を行うための市街地再開発事業,土地区画整理事業等の施行,(6)地方鉄道業および軌道業,(7)国営公園内有料公園施設の建設および管理ならびに地方公共団体からの委託に基づく都市公園の建設,(8)地方公共団体等からの委託に基づく技術的援助等が挙げられる。公団の事業資金は,(1)国および地方公共団体からの出資金,(2)国からの建設費補助および補給金,(3)国の資金運用部特別会計,簡易生命保険および郵便年金特別会計からの借入金ならびに生命保険会社,信託銀行等の民間からの借入金,(4)住宅都市整備債券,特別住宅債券および宅地債券の発行による収入,(5)事業収入金等からなっており,予算および決算は毎事業年度ごとに建設大臣の認可および承認を受ける。なお1982年3月末までに旧公団の実績を含め106万戸の住宅,1万4740haの宅地の供給等を行っている。
1999年10月,都市基盤整備公団として再編され,大都市地域等の都市基盤整備にあたることとなった。さらに2004年7月,地域振興整備公団の一部と統合して,独立行政法人・都市再生機構となった。市街地の整備・改善や賃金住宅の供給に取り組んでいる。
執筆者:永田 亮吉
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現、都市再生機構。住宅・都市整備公団は1981年(昭和56)に制定された住宅・都市整備公団法に基づいて日本住宅公団と宅地開発公団とが統合され、同年10月に発足した。日本住宅公団は1955年(昭和30)に設立され、大都市とその周辺に勤労者向けのいわゆる団地住宅を建設し、供給・管理してきた。一方、宅地開発公団は1975年設立。都市周辺の住宅地の開発、都市の再開発を主要な事業としてきた。住宅の不足がほとんど解消されるに至って、住宅政策の課題は良好な居住環境をつくることにあるとされ、両公団を統合し、新たに都市公園の整備、都市機能更新のための土地区画整理および再開発、特定公共施設の整備など幅広い事業を実施することになった。住宅公団時代以来供給してきた住宅は1998年(平成10)末までに約149万戸、宅地は約1万2400ヘクタールに及び、都市開発施行面積は約3万8100ヘクタールである。特殊法人等の整理合理化の一環として、1999年10月、都市基盤整備公団として生まれ変わった。また2004年7月には、特殊法人改革の一環として地域振興整備公団の地方都市開発整備部門と統合され、独立行政法人都市再生機構となった。
[森 真澄]
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…住宅・都市整備公団(1981年10月1日以前は,その前身である日本住宅公団)により建設される住宅をいう。第2次大戦後の住宅不足を緩和するための住宅政策として,地方公共団体が低所得者のために国庫補助を受けて供給する公営住宅と,みずから住宅建設を行おうとする個人または法人に,金融上の助成を行う住宅金融公庫の融資制度とがあった。…
※「住宅都市整備公団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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