長崎県北松浦郡(きたまつうらぐん)にある町。1941年(昭和16)町制施行。松浦鉄道、国道204号、西九州自動車道が通じる。町の中央部を流れる佐々川の沖積地や河口の干拓地の水田のほか、両岸の丘陵地斜面に棚田(たなだ)が発達する米作地。江戸末期ごろから、第三紀層の丘陵地で炭坑が開発され、昭和20年代には大手・中小企業の炭鉱13社、町の人口は2万を超えたが、1970年(昭和45)には全鉱山閉山。振興策として製縫ならびに窯業工場を誘致。町の北部の皿山(さらやま)には県指定史跡の古い窯(かま)跡(市ノ瀬窯跡)があり、磁器製造の秘法が、ここから瀬戸(せと)(愛知県)に伝えられたとされる。農業は米作のほかミカン、イチゴ栽培が盛んで、アユ、シロウオが特産。韮岳(にらだけ)(357メートル)・大岳(296メートル)の周辺は地すべり多発地帯で、溜池(ためいけ)が多い。面積32.26平方キロメートル、人口1万3912(2020)。
[石井泰義]
『『佐々町郷土誌』(1956・佐々町)』
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