さが【佐賀】
[二] (
巡行の
日本武尊が、この地に樟
(くすのき)の茂り栄えるのをみて、「栄
(さか)」と名づけたと伝えられる) 佐賀県東部の郡。背振
山地南麓から有明海沿岸を占める。明治二二年(
一八八九)郡内中央部に佐賀市が
成立。
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デジタル大辞泉
「佐賀」の意味・読み・例文・類語
さが【佐賀】
九州地方北西部の県。肥前の東半部にあたる。吉野ヶ里遺跡がある。有田焼・伊万里焼の産地。人口85.0万(2010)。
佐賀県東部の市。県庁所在地。もと鍋島氏の城下町。多布施川が北部山地から市街に流入、多くの水路をつくる。平成17年(2005)に周辺4町村を、平成19年(2007)に3町を編入。人口23.8万(2010)。
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佐賀
さか
中世、三根郡内にみえる地名。佐賀浦は大明神浦ともよばれたので、弘安の役でモンゴル軍が上陸した世界村大明浦は(「高麗史節要」忠烈王七年五月辛酉条)、当地の可能性が高い。康安二年(一三六二)下津郡八幡宮(現厳原町)の神事料所のうち「正月元さく田一反」が「さか」にあり、年貢を徴収し、懈怠なく神事を勤仕するよう命じられた(同年四月一一日「宗宗香書下写」下津八幡宮文書)。この「さか」は佐賀郡と考えられる。貞治四年(一三六五)「さかのくんし」(佐賀郡司)らが同宮の大床の材木を翌年一月二〇日までに調達するよう命じられたが(同年一一月一九日「某書下写」宗家判物写)、佐賀郡は南北朝期の一時的な郡名で、室町期に対馬八郡が成立するに伴って当地は三根郡のうちとなった。
応永六年(一三九九)「ミねの郡内さかくちきしたか村」の代官職が宗六郎に宛行われた(同年正月一一日「宗貞茂宛行状」三根郷給人等判物写)。同八年宗美濃彦六が峰郡在庁地に属する「さか」など六ヵ所を給分として宛行われた(同年一一月一五日「宗貞茂充行状」仁位郷判物写)。同一一年「三根之郡さか」にある府八幡宮(下津八幡宮)の「正月一日御すつりのやく田」二反で違乱を止め、介知(現美津島町)の大掾に耕作を命じた(同年一二月一五日「宗正永書下」与良郷宗家判物写)。同年大山宮内入道が「八かいの大もの」(鯨か海豚か)が現れたならば「さかかいふな大いし」において捕獲するよう命じられている(同年一二月二〇日「宗正永書下」同判物写)。永享三年(一四三一)「さか」の居屋敷の領掌が林左衛門大夫に安堵された(同年三月二〇日「宗貞盛書状」馬廻判物帳)。同六年「さかのしやうけん」跡の百姓地の公事が給分として太郎左衛門尉(阿比留氏)に宛行われ、同所は大永六年(一五二六)にも阿比留太郎左衛門尉に宛行われた(永享六年二月一三日「宗貞盛宛行状」・大永六年三月一一日「宗盛長宛行状」三根郷給人等判物写)。
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佐賀
さが
高知県南西部、幡多郡(はたぐん)にあった旧町名(佐賀町(ちょう))。現在は黒潮町の北東部を占める地域。土佐湾に臨む。旧佐賀町は、1940年(昭和15)町制施行。2006年(平成18)大方(おおがた)町と合併して黒潮町となった。地域を伊与木(いよき)川が南流、その河谷低地のほかは山地。中心は伊与木川河口付近の佐賀で、近世、土佐湾捕鯨地の一つ。また、古くからカツオやブリ漁業で知られる。特産品として完全天然塩がある。窪川(くぼかわ)台地から片坂を経て国道56号が、若井ループトンネルを抜けて土佐くろしお鉄道がそれぞれ地内に入り、海岸沿いを通過する。鹿島ヶ浦は土佐西南大規模公園に含まれている。沖合いの鹿島は県の自然環境保全地域に指定され、鹿島神社が鎮座する。
[大脇保彦]
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佐賀
さが
高知県南西部,黒潮町北東部の旧町域。土佐湾に面する。 1940年町制施行。 2006年大方町と合体して黒潮町となる。佐賀港はブリ大敷網漁業や足摺岬沖のカツオの一本釣り漁業の基地。江戸時代は捕鯨で知られた。農業は米作のほか,柑橘類の栽培を行なう。鹿島ヶ浦,佐賀温泉などがある。
佐賀
さか
長崎県,対馬市北部,峰町東部の対馬海峡に面する集落。古くからの集落で,対馬の支配者宗氏は応永 15 (1408) 年から厳原開府の年まで 78年間にわたってここに対馬統治の府を置いた。現在は漁業と商業が行なわれる。
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世界大百科事典内の佐賀の言及
【峰[町]】より
…西部の三根湾に注ぐ三根川や吉田川の流域は対馬でも数少ない田園地帯となっている。東部地区を中心とする漁業はイカ釣りや定置網漁が盛んで,佐賀(さか)港は対馬中央部における中心漁港である。林業ではシイタケ栽培が中心。…
※「佐賀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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