何処か(読み)ドコカ

デジタル大辞泉 「何処か」の意味・読み・例文・類語

どこ‐か【処か】

[連語]《「か」は副助詞》(副詞的にも用いる)
はっきりと指示できない場所を示す。「何処かで聞いた文句だ」「何処か遠くへ行きたい」
はっきりとは示せないが、そのようであるという気持ちを表す。何となく。どこやら。「何処か変だ」
[類語](1何処どこどこそこいずこどこらどこいらどの辺どこやらいずかたどちらいずれどっち某地某所/(2何かいつか

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「何処か」の意味・読み・例文・類語

どっ‐か【何処か】

  1. ( 「どこか(何処━)」の変化した語で、くだけたいい方 )
  2. [ 1 ] 〘 連語 〙どこか(何処━)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「三絃を一挺買てやったら、夫をも踏びしいて、撥をば何所(ドッ)かどう迷子にして仕まった」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙どこ(何処)やら
    1. [初出の実例]「あの光様といふのはどっかむす子らしいネ、おらい様はきついきまりさ」(出典:洒落本・登美賀遠佳(1782))
    2. 「どっか借物じみてるでせう」(出典:大道無門(1926)〈里見弴〉眸)

いずく【何処】 か

  1. どこに…か。どこへ…か。
    1. [初出の実例]「大伴の名に負ふ靫(ゆき)帯びて万代に頼みし心何所可(いづくカ)寄せむ」(出典:万葉集(8C後)三・四八〇)
  2. どこが…か。どんな所が…か。
    1. [初出の実例]「『又、さるたぐひおはしましなむや』と思ひ侍るに、いづくかおとり給はむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
  3. ( 推量のことばを伴って ) どうして。なんとかして。
    1. [初出の実例]「稟気懐霊(よろつのもの)、何(イツクカ)得処(やすから)ざらむ」(出典:日本書紀(720)成務四年二月(寛文版訓))

どこ‐か【何処か】

  1. ( 「か」は不定の意を表わす助詞 )
  2. [ 1 ] 〘 連語 〙 不定の場所をさす。
    1. [初出の実例]「何所(ドコ)か知らない田舎へ持て徃て売るのだなア」(出典:怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一二)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙 これといってはっきりさし示すことはできないが、たしかにあるという感じを表わす。何となく。どこか。
    1. [初出の実例]「何処か梅我(くめさ)に似て居るぢゃアありませんか」(出典:人情本・吾嬬春雨(1832)前)

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