日本陸軍の将校クラブ。1877年(明治10)創立。90年,それまで部内の自発的な研究団体として存在した月曜会を強制的に合併して,以後,全将校を包含する唯一の官制組織となった。1924年財団法人となる。講話会,集会のほか機関紙《偕行社記事》,兵書などの発行,死亡者などの義助,軍装用品および生活必需品の供給,住宅建設,貸付などの便益をはかった。社員は現役将校および相当官が自動的になり,退役将校および相当官も〈希望に依り〉なることができた。拠出金は俸給月額100分の1。東京九段に本部,地方衛戍(えいじゆ)地に支部を置いた。旧帝国海軍の水交社とともに軍隊上層・中堅層の生活,およびイデオロギーの側面での団結を促進する役割を果たした。1952年旧軍人の間で親睦会的組織として再発足し,機関紙《偕行》を発行している。
執筆者:雨宮 昭一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
旧日本陸軍の将校間の親睦(しんぼく)と軍事研究を目的とした団体で1877年(明治10)2月に創立された。とくに、陸軍の兵制がフランス式からプロシア式に変更された際、これを不満として月曜会と称する団体に結集した一群の将校と軍主流との対立が生じたのを契機に、将校の思想的統一、団結を図る役割が期待されることになった。月曜会が1890年に偕行社に強制的に合併されて以来、陸軍唯一の官制組織となった。
[纐纈 厚]
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