健気(読み)ケナゲ

デジタル大辞泉 「健気」の意味・読み・例文・類語

けな‐げ【健気】

[形動][文][ナリ]《「けなりげ」の音変化。普通とは異なって格別であるさまの意から》
殊勝なさま。心がけがよく、しっかりしているさま。特に、年少者や力の弱い者が困難なことに立ち向かっていくさま。「一家を支えた健気少年」「健気に振る舞う」
勇ましく気丈なさま。
武士の女房たる者は、―なる心を一つ持ちてこそ」〈太平記・一〇〉
健康であるさま。
「ああ、―な老者かな」〈蒙求抄・一〉
[派生]けなげさ[名]
[類語]殊勝神妙奇特感心見事立派結構素晴らしい良い素敵すてき最高絶妙卓抜秀逸目覚ましい輝かしいたえなるえも言われぬ良質上質上等優良佳良純良良好上上上乗グーグッドナイスワンダフル好ましい程よい好個絶好最適じょうずうまい上出来言うことなしあっぱれ

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精選版 日本国語大辞典 「健気」の意味・読み・例文・類語

けな‐げ【健気】

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「けなりげ」の変化した語か )
    1. 勇ましいさま。勇健であるさま。
      1. [初出の実例]「静賢法師のもとに、馬允なにがしとかや、ゆゆしく力つよくけなげなる男ありけり」(出典:元祿版古今著聞集(1254)一五)
    2. 心がけがしっかりしているさま。殊勝であるさま。
      1. [初出の実例]「御けなけにも御自害候物かな。それがしも、おひつきたてまつらんとて、腹十文字にかきやぶり」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)
    3. 健康であるさま。壮健であるさま。
      1. [初出の実例]「ああけなけな老者かなと云たぞ。十九史畧注には転健貌ぞ。かるくすくやかな老者かなと云心ぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)一)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 心がけがしっかりしていること。また、その行為
    1. [初出の実例]「其身之成見悪候共気なけたらん者には可情」(出典朝倉孝景条々(1471‐81)英林壁書)

健気の派生語

けなげ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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