精選版 日本国語大辞典 「側」の意味・読み・例文・類語
かわ かは【側】
〘名〙 (「がわ」とも)
※湯島詣(1899)〈泉鏡花〉一四「知れては身分に係はるといった側(カハ)が、ちょいちょい懐手で出入する」
② まるく輪をなした、もののまわり。また、輪をなして、囲んでいるもの。
※温故知新書(1484)「外輪 カワ 器」
※天草本伊曾保(1593)狐と野牛の事「マエアシヲ イノ cauani(カワニ) ナゲカケ」
③ =かわ(皮)③
※人情本・婦女今川(1826‐28)八「『アノ二物(にぶつ)とかいふ坊さまは狂歌師かの』『しかも名人サ。私などの側(カハ)さネ』」
⑤ そば。かたわら。
※紐育(1914)〈原田棟一郎〉婦人と米国政界「さう側(ガハ)で見るやうな容易(たやす)い仕事ではない」
⑥ 賭博(とばく)で、胴親と対立して勝負をする者。
そば‐・む【側】
[1] 〘自マ四〙
※落窪(10C後)一「しろき衣の萎えたると見ゆる著て、〈略〉そばみてあれば、顔は見えず」
② かたわらに寄る。隅の方に寄る。恥じらいや、遠慮がちなようすにいう。
③ 顔をそむけてうらみなげく。うらむ。ひがむ。すねる。
※源氏(1001‐14頃)梅枝「歌も、ことさらめき、そばみたる古言どもを選りて」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒そばめる(側)
そば‐・める【側】
〘他マ下一〙 そば・む 〘他マ下二〙
① 横へ向ける。身体や視線をわきへ向ける。そむける。
※源氏(1001‐14頃)空蝉「ひきつくろひ、そばめたるうはべをのみこそ見給へ」
② わきへ寄せる。わきに引き寄せる。横へ押しやる。
※平治(1220頃か)上「兵共も大きにおそれ奉り、弓をひらめ、矢をそばめてとほし奉る」
③ じゃまにする。のけものにする。ものの中枢からはずす。→め(目)をそばめる。
※類従本撰集抄(1250頃)一「浮世中の草かくれ、跡なきまでも、我をそはむるわざなかれと也」
そく【側】
〘名〙 永字八法の一つ。第一画の点。
※和漢三才図会(1712)一五「側〈略〉点之祖永字第一筆。不レ得レ平」
がわ がは【側】
〘名〙 ⇒かわ(側)
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