先走る(読み)サキバシル

デジタル大辞泉 「先走る」の意味・読み・例文・類語

さき‐ばし・る【先走る】

[動ラ五(四)]
先に立って走る。転じて、他より先に物事をする。「全国に―・って売り出す」
他に先んじようとして、独りよがりの判断をする。他を出し抜いて、かってに行動する。「―・った考え方」「あまり―・っては困る」
[類語]先んずる先んじる先立つ先駆ける先に立つ先頭を切る先行先導主導誘導率先音頭取り先駆前駆先回り抜け駆けリード

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「先走る」の意味・読み・例文・類語

さき‐ばし・る【先走】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 先頭を走る。先に走り出る。他より先になる。先んじてことをする。
    1. [初出の実例]「見善喩へば先走る者にをいつかんとするやうに思へぞ」(出典:足利本論語抄(16C)季氏第十六)
  3. 不確かな判断に基づいて、他人を出しぬいてある言動をする。また、事実を確かめる前にひとりよがりに判断したり行動したりする。
    1. [初出の実例]「水は温み下草は萌えた。鷹はまだ出ぬか、雉子はどうだと、終に若鮎の噂にまで先走りて」(出典:風流仏(1889)〈幸田露伴〉八)
  4. 取引市場で、相場が好材料の実現よりさきに騰貴(とうき)したり下落したりする。〔取引所用語字彙(1917)〕

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