光物(読み)ひかりもの

精選版 日本国語大辞典 「光物」の意味・読み・例文・類語

ひかり‐もの【光物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 光るもの。光を発するもの。光ってきわだっているもの。多く、金、銀、宝石などをいう。
    1. [初出の実例]「其光物(ヒカリモノ)の白いのは金剛石!」(出典:隣の女(1893)〈尾崎紅葉〉一六)
  3. 流星彗星稲妻など、空中を光りながら飛び移動するもの。
    1. [初出の実例]「天中有光物」(出典:明月記‐治承四年(1180)九月一五日)
  4. 鬼火・妖怪・人魂など、光をだして恐れられるもの。
    1. [初出の実例]「御堂のかたはらにひかり物いできたり」(出典:平家物語(13C前)六)
  5. 連歌俳諧で、月・日・星など光る物をさしていう語。連歌では、この類の題材は三句以上隔ててよみ込むよう規定されている。〔僻連抄(1345)〕
  6. 金銀貨幣のこと。
    1. [初出の実例]「日比(ひごろ)たくはへたる光(ヒカ)り物をば、むなしく蔵にのこしをき」(出典:浮世草子・元祿大平記(1702)三)
  7. (さば)・鰯(いわし)など皮膚が青い色をして光る魚。特に、鮨ダネとして小鰭(こはだ)・鰺(あじ)などをいう。
  8. 花札で、松・桜・柳(雨)・薄(坊主)・桐など二〇点の札をいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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