入立(読み)いれたて

精選版 日本国語大辞典 「入立」の意味・読み・例文・類語

いれ‐たて【入立】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 自分費用を負担すること。自前であること。自分持ち。自弁
    1. [初出の実例]「しきせの外は身のいれたてとの定めなり」(出典:浄瑠璃・百日曾我(1700頃)傾城請状)
  3. 立て替えること。弁償をすること。
    1. [初出の実例]「彼敷地土貢以外減少、代官得分無之、結句為入立之式之間、可上表申之由」(出典東寺百合文書‐る・応永一八年(1411)一二月二日・最勝光院方評定引付)
    2. 「Iretateuo(イレタテヲ) スル」(出典:日葡辞書(1603‐04))

いり‐たち【入立】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ある場所にはいりこむこと。親しく出入りすること。また、その人。
    1. [初出の実例]「おほやけ所にいりたちする男、家の子などは、あるがなかによからんをこそは、選りて思ひ給はめ」(出典:枕草子(10C終)二六八)
  3. ( 「れんちゅういりたち(簾中入立)」の略 ) 昔、宮中女房詰め所である台盤所(だいばんどころ)に参入することを許されること。また、その人。三位以上で直衣(のうし)勅許公卿を普通とする。
    1. [初出の実例]「近う候ふ人は東の台盤所とて向ひたる方を通る。いりたちの人々などはそれにゐる」(出典:たまきはる(1219))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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