全国部落解放運動連合会(読み)ぜんこくぶらくかいほううんどうれんごうかい

改訂新版 世界大百科事典 「全国部落解放運動連合会」の意味・わかりやすい解説

全国部落解放運動連合会 (ぜんこくぶらくかいほううんどうれんごうかい)

部落問題の完全解決を目的とする運動団体。1965年以降,部落解放同盟の内部で,政党支持の自由および同年8月の同和対策審議会答申の評価をめぐる対立が激しくなった。中央本部の方針と対立した人々は,70年6月,部落解放同盟正常化全国連絡会議(正常化連)を結成し,中央本部派を〈融和主義,部落排外主義,反共主義〉と批判し,部落解放運動全体の正常化を主張した。正常化連は部落の諸要求実現,公正・民主的な〈同和行政〉の確立などの運動を進め,76年3月16日,全国部落解放運動連合会(全解連,委員長岡映)を結成した。全解連は〈新旧二つの差別主義〉に反対し,〈封建的身分差別の残存物の根絶と部落内外の国民的融合をかちとる〉運動とともに,平和と民主主義擁護にも努力して,〈21世紀まで部落差別を持ち越さない〉ことをめざしている。なお2004年全解連の終結大会を受け,全国地域人権運動総連合(全国人権連)が発足した。
部落解放運動
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世界大百科事典(旧版)内の全国部落解放運動連合会の言及

【部落解放運動】より

…この対立は69年の〈矢田事件〉,74年の〈八鹿(ようか)高校事件〉などを経てさらに激しさを増した。この間に,中央本部の方針に批判的な同盟員は日本共産党の影響下にある人々が中心になって,70年,部落解放同盟正常化全国連絡会議(正常化連)を組織し,76年には全国部落解放運動連合会(全解連)を結成した。 全解連は,戦後日本の民主化の進展の中で,部落差別は基本的には解消の方向に進みつつあるとして,〈封建的身分差別の残存物の根絶と部落内外の国民的融合〉の実現をめざす立場をとっている。…

※「全国部落解放運動連合会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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