八文字(読み)ハチモンジ

デジタル大辞泉 「八文字」の意味・読み・例文・類語

はち‐もんじ【八文字】

「八」という字。また、その字の形。
遊女揚屋入りする際などの歩き方。内八文字外八文字がある。
江戸初期の男伊達などの風俗で、大股に足を外側に開いて歩く歩き方。
「胸をつき出し、足を―に踏み」〈戴恩記・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「八文字」の意味・読み・例文・類語

はち‐もんじ【八文字】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 「八」という文字。また、「八」「8」などの形。
    1. [初出の実例]「眉は、八文字のすがたに、にたれば也」(出典:名語記(1275)五)
  3. 遊女の揚屋入りの道中にする足の踏み方で、腰をすえて八の字型に足を繰り出す歩き方。「内八文字」と「外八文字」の二様があり、前者は京都島原で好まれ、後者は江戸吉原で多く行なわれた。
    1. [初出の実例]「八文字(ジ)にやふめる足もと 銭二つたたらの中へ先入て〈玄康〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)一)
  4. 男伊達などの風俗で、大股に足を外に踏み開いて歩く歩き方。
    1. [初出の実例]「手をふところに入、むねをつき出し、足を八文字(ハチモンジ)にふみ」(出典:随筆・戴恩記(1644頃)上)
  5. 八個の文字。

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