精選版 日本国語大辞典 「公務執行妨害罪」の意味・読み・例文・類語
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公務員がその職務を執行するにあたり、これを暴行または脅迫によって妨害する罪であり、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金に処される(刑法95条1項)。広義では、刑法第2編第5章の「公務の執行を妨害する罪」を意味し、ここには、本罪のほか、職務強要罪、封印破棄罪、強制執行免脱罪、競売入札妨害罪および談合罪が含まれる(ここでは狭義の公務執行妨害罪について述べる)。
本罪は、沿革的には、旧刑法の官吏抗拒罪(139条)に由来し、国家の権力的作用に対する抵抗罪としての性格を有する。本罪の典型的事例として、警察官によるデモ規制や現行犯逮捕に対して実力で抵抗する場合があげられる。本罪における行為の客体は日本の公務員である。公務員とは一般に、法令により公務に従事する職員をいう(刑法7条参照)。この場合の公務員には、法令により公務員とみなされる者を含むから、たとえば郵便局の職員などもこれにあたる。ただ、本罪における公務員の行う職務(公務)のなかに権力的公務のほかに郵便職員などの行う非権力的または私企業的公務も含まれるか、につき争いがある。判例は両者を含むものと解しているが、学説上は今日では、権力的公務に限るとする説がむしろ一般的である。
本罪における職務執行は適法なものであることを要するか、また、この場合に適法性の要件は何か、が問題となる。この点につき法律上の明文はないが、一般に、本罪が成立するためには、職務の適法性を要するものと解されている。したがって、警察官の違法な職務執行を実力で妨害しても、本罪は成立せず、むしろ正当防衛が可能となる。ただ、職務の適法性とは何をいうかにつき、公務員の行う行為が当該公務員の抽象的職務権限内のものであり、かつ、具体的権限を有する場合でなければならないが、さらにその職務行為が法令上の手続や方式をどの程度満たしている必要があるか、が争われている。この点につき、「重大かつ明白な瑕疵(かし)」があり、行政法上も無効でない限りその職務行為は適法であるという見解もあるが、少なくとも市民の自由や人権に重大な影響をもたらす場合には、この要件を厳格に解すべきであろう。
[名和鐵郎]
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…〈業務〉とは,職業その他継続して従事する事務または事業をいうが,公務も含まれるかが問題となる。つまり,公務執行妨害罪の保護客体となる公務も,業務として二重に保護すべきかどうか,ということであるが,業務は,暴行・脅迫のほか,偽計・威力による妨害行為からも保護されるため,当該の公務の性質とも関係して,どの範囲まで公務を業務に含めるかが争われている。なお,業務妨害罪は,労働争議に関係して問題となることが多いが,争議行為として正当と認められる範囲内にとどまる限りにおいては,犯罪とはならない(労働組合法1条2項,刑法35条)。…
※「公務執行妨害罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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