精選版 日本国語大辞典 「公益」の意味・読み・例文・類語
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公益は文字どおり公共の利益、つまり社会一般の利益を表し、公共の福祉と似た概念であるが、その内容を確定することはむずかしい。というのは、公益が引き合いに出されるのは、これに反すると思われるような事態に対して抗議し、それを批判するために用いられることが多いので、批判しようとする事柄いかんによって、公益の内容の強調点はおのずから異なるであろうし、また公益を判定または主張するものがだれかによっても、見方が異なってくるからである。ある公共政策を擁護ないし優先させるためや、個人の権利の行使を制限しようとする場合に、公益がその理由として強調される。したがって公益は、正当な用いられ方ばかりでなく、権力の自己主張や自由の抑圧のためにも用いられる。公益を合理的で有効な概念たらしめるためには、社会における自由で理性的な討論や判例の積み重ねがたいせつであろう。
[飯坂良明]
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… 歴史上重要な憲法的文書に現れたものとしては,近代憲法の最初のものとされるバージニア権利章典3条(1776)に〈共同の利益common benefit〉,アメリカ合衆国憲法前文(1787)に〈一般の福祉general welfare〉,フランスの1789年人権宣言前文に〈全体の幸福bonheur de tous〉,1793年憲法に付された人権宣言に〈共同の幸福bonheur commun〉などの語が用いられている。ドイツでは,初の社会国家憲法であるワイマール憲法(1919)に〈公共の福利öffentliche Wohlfahrt〉が用いられたが,ナチス時代に私益に優先する〈公益Gemeinnutz〉が全体主義のシンボルとして用いられたことに対する反省から,ボン基本法(1949)では,人権に限界をおく場合に一般的不確定概念を用いないようにする努力がはらわれている。しかし,公共の福祉という語は,社会国家・積極国家としての福祉国家という性格を持つ現代の国家においては,国政ないし人権保障の指導理念として,しばしば用いられている。…
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