旺文社世界史事典 三訂版 「兵馬俑」の解説
兵馬俑
へいばよう
陝西省臨潼県にある始皇帝陵の東1.5㎞地点で1974年に発見された。3つの俑坑と1つの未完成坑からなり,等身大の兵士が約8000体,車馬500頭,木製戦車130台,青銅兵器数万点が発掘。当時の軍隊編成や服装・民族構成などが克明にわかり,1979年には兵馬俑坑博物館が建てられた。
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…この状況に対抗して鉄製の甲冑が出現し,秦・漢時代になると鉄製の甲冑が多くなった。近年発見された秦始皇陵の兵馬俑坑の陶製の武人俑から,当時の鎧を復原してみると,幼児のよだれ掛けを大きくしたような,上半身の前だけを守るもの,大きめのシャツを着たように下がゆったりして,胸や腰や腹など上半身全体を覆う部分と肩から腕にかけて守る部分とがあるもの,体型と合致した形をして上半身全体と上膊とをつつみ,いかにも鎧という感じを与えるもの,以上の3種がみられ,すべて小さな札のような,いわゆる甲片をつづり合わせて作られている。甲片の素材が何であったかは,武人俑からは判明しないが,まず鉄が使用されたことは想像できる。…
…洛陽市全村などでは鋳造の銅人が発見されているが,一概に俑といいがたい。秦の始皇陵の東側に展開する兵馬俑坑,馬葬坑から出土した一群の陶俑は壮観である。等身大に彫塑した中空の俑で,兵士,士官,将軍,馬,御者の1体ごとに顔,衣服,鎧などを個性豊かに彫刻し,焼きあげたのち各種の顔料で文様などを細かく着色する。…
※「兵馬俑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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