精選版 日本国語大辞典 「内耳」の意味・読み・例文・類語
ない‐じ【内耳】
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聴覚・平衡覚器が収められている部分で、中耳(鼓室がある部分)の奥にあたり、側頭骨の岩様(がんよう)部の内部に位置する。内耳の中には複雑な形態をした膜性迷路という構造がある。その周囲には膜性迷路とまったく同じ形をした岩様部の骨があり、膜性迷路を閉じ込めている。この構造を骨性迷路とよぶ。膜性迷路は結合組織性の薄い膜に包まれた管で、まず中央部に卵形嚢(のう)・球形嚢という2個の嚢があり、両嚢は細い管で連絡している。卵形嚢の後方にはそれぞれ半円を描いてC状に曲がった形で出っ張っている3個の半規管(これを三半規管という)が連絡している。三半規管は前・後・外側にあり、前半規管は垂直、外半規管は水平、後半規管は他の二つの半規管に対して直角の方向を向く。三半規管の根元は共通していて卵形嚢に開いている。三半規管内にはリンパ液(内リンパ)が満たされており、この流れが卵形嚢内の平衡覚器を刺激することによって体の位置や運動を感知することができる。球形嚢の前方には蝸牛(かぎゅう)管があるが、この器官も、やはり同型の骨性迷路の蝸牛の部分に収まっている。蝸牛管は球形嚢に開いており、その内部にはコルチ器(ラセン器)がある。コルチ器は音の刺激の受容器で、内リンパの振動波を受け取っている。膜性迷路と骨性迷路との間の間隙(かんげき)にもリンパ液(外リンパ)が流れている。神経系でみると、平衡覚器には前庭神経の終末が終止し、コルチ器には蝸牛神経の終末が終止する。両神経は骨性迷路内で合して1本になり、内耳神経(第8脳神経、旧名は聴神経)となって延髄の前庭神経核(平衡覚中継核)や蝸牛神経核(聴覚中継核)に連絡する。内耳に障害がおこると、内耳性の難聴やめまい、よろめきなどの原因となる。なお、内耳はほとんどの脊椎(せきつい)動物に存在している。
[嶋井和世]
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…両生類以上の脊椎動物つまり四足動物において,鼓膜の奥にある空間とそこに含まれる構造物をまとめて中耳という。中耳は内耳(哺乳類では外耳が加わる)とともに耳を構成する。現存の軟骨魚類では,咽頭の両側に数対の鰓孔(えらあな)があり,その前方背方に小さい呼吸孔(噴水孔)がある。…
… 脊椎動物は例外なく聴覚器官をもっている。魚類の聴覚器官は内耳だけからなり,いわゆる中耳や外耳を欠く。コイやナマズのようなコイ類(骨鰾(こつひよう)類)では中耳の代りにウェーバー器官があり,音はうきぶくろからウェーバー小骨連鎖を経て内耳に伝わる。…
…脊椎動物の頭部にある有対の感覚器官で,平衡覚と聴覚をつかさどる。ふつう〈耳の形〉などというときには,哺乳類の頭の両側に突出した耳介を指すが,解剖学的にいえば耳には内耳,中耳,外耳の3部分が含まれる。内耳は刺激を受容する中心的部分で,最も奥深く位置し,進化的にみて最も由来が古く,すべての脊椎動物が例外なく備えるものである。…
…内耳とまったく同じ意味と考えてよいが,迷路が内耳を包んでいる組織をも含んだ総称である点に違いがある。側頭骨の中のいちばん硬い岩様部の中に迷路のような複雑な管腔,およびそれを包んだ硬い骨があることからこの名がついた。…
… 人間が直立したり歩行したり,また運動したりできるのは,身体の平衡がうまく保たれているからである。このような身体の平衡に関係する部位としては,耳のいちばん奥にある内耳の前庭三半規管,内耳からでる前庭神経と深い関係をもつ脳幹や小脳,筋肉や腱の深部知覚系と呼ばれるところ,および視覚系(眼)などがある。このような身体の平衡に関係した部位のどこかに病気が起こると,身体の平衡がくずれて,めまいを感ずるようになる。…
※「内耳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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