内臓(読み)ナイゾウ

デジタル大辞泉 「内臓」の意味・読み・例文・類語

ない‐ぞう〔‐ザウ〕【内臓】

動物内腔にある器官総称消化器呼吸器泌尿器生殖器内分泌器をいう。
[類語]臓器五臓六腑臓腑五臓臓物

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精選版 日本国語大辞典 「内臓」の意味・読み・例文・類語

ない‐ぞう‥ザウ【内臓】

  1. 〘 名詞 〙 動物の体腔中にある諸器官の総称。現在の解剖学では、循環器、消化器、呼吸器、泌尿生殖器、内分泌器をいう。東洋医学では、五臓六腑をさす。
    1. [初出の実例]「内臓諸器の冒寒症」(出典:七新薬(1862)三)
    2. [その他の文献]〔柳宗元‐種仙霊毗詩〕

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改訂新版 世界大百科事典 「内臓」の意味・わかりやすい解説

内臓 (ないぞう)
viscus

からだの内部の腔所にある諸臓器の総称。俗に臓腑,はらわたともいう。メスやピンセットなどを使って細かく解剖しなくても,簡単に取り出せるような臓器が古くから内臓と呼ばれてきた。漢方医学で五臓(心,肝,腎,肺,脾)六腑(胃,大腸小腸膀胱,胆,三焦)といわれたものが内臓である。ただし,六腑のなかで三焦がなにものをさすかは昔も今も不明である。今日の解剖学において内臓学として取り扱うのは消化器,呼吸器,泌尿生殖器および内分泌器であって,臓器を取り出すことの難易など今では問題としない。心臓は明らかに胸部の内臓に属するが,これは循環器の大本をなす部分として,多くの場合内臓学から除かれている。また脾臓腹部の内臓にまちがいないが,これも循環器に属するものとして内臓学からは除外されることがある。古くは脳も内臓の一つとして数えられたことがあるが,これは神経系の最も主要な部分であり,今日では当然内臓の外におかれている。
五臓六腑
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「内臓」の意味・わかりやすい解説

内臓
ないぞう

体腔(たいくう)の中にあって、それだけを取り出すことのできる、ある程度独立した器官をいう。古くは脳、心臓、脾臓(ひぞう)、眼球などもこれに含めていたが、現在では、脳は神経系、心臓と脾臓は血管系、眼球は感覚器系の視覚器に属させている。したがって、内臓学として対象とする内臓は、消化器系、呼吸器系、泌尿・生殖器系、内分泌器系に属する器官となる。これらの内臓には、実質性臓器と中空性臓器とがある。実質性臓器とは、その臓器特有の細胞が集合して実質を構成しているもので、肝臓、腎(じん)臓、精巣睾丸(こうがん))、卵巣甲状腺(せん)、下垂体、副腎胸腺などが含まれる。これらの実質性臓器は、分泌機能ももっている。また、実質の中には結合組織が入り込んで、間質あるいは支質として実質の保護や支持の役を果たしている。中空性臓器とは、管(くだ)とか嚢(のう)を形成するもので、そのもっとも内壁には粘膜、その外側には筋層、最外層には漿膜(しょうまく)あるいは外膜の層がある。中空性臓器には、咽頭(いんとう)、食道、胃、腸管、喉頭(こうとう)、気管系、尿管、膀胱(ぼうこう)、尿道、精管、卵管、子宮、腟(ちつ)などが含まれる。

[嶋井和世]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内臓」の意味・わかりやすい解説

内臓
ないぞう
viscera

消化器,呼吸器,泌尿器,生殖器,内分泌器に属する器官をいう。内臓の多くは胸腔と腹腔内にあるが,鼻や口のように体表に近いものもある。古くは脳や心臓も内臓とされていたが,現在では,神経系と循環器系に属する器官は内臓とはしない。

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百科事典マイペディア 「内臓」の意味・わかりやすい解説

内臓【ないぞう】

体腔内にある諸器官の総称。俗にいう五臓六腑のことで,消化呼吸系と泌尿生殖系および内分泌系の器官が主体である。

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栄養・生化学辞典 「内臓」の解説

内臓

 ⇒臓器

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世界大百科事典(旧版)内の内臓の言及

【体】より

…胸部には1対の乳があり,腹の正中線上には,胎生期の母体との交通路が遺存したへそがある。
[骨格と内臓]
 四肢は芯に骨格をもっているが,頭と胴では,骨格はむしろ体壁の一部をなしており,内部の内臓諸器官を保護している。体を支える軸となる骨格は脊柱で,胴の正中背側部を頸の上端から骨盤まで縦走している。…

※「内臓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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