円か(読み)マドカ

デジタル大辞泉 「円か」の意味・読み・例文・類語

まど‐か【円か】

[形動][文][ナリ]《古くは「まとか」とも》
まるいさま。「円かな月」
穏やかなさま。円満なさま。
「甘やかな太陽が―な昼の夢のように輝いて」〈中勘助・鳥の物語〉
[派生]まどかさ[名]
[類語]丸いまろい丸っこい真ん丸まろやかつぶ円形球形球状・円盤状・輪形丸まっちい丸丸同心円半円長円大円真円正円真ん丸いくりくりたまご形ループっかリング丸まる丸める団団団子状

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精選版 日本国語大辞典 「円か」の意味・読み・例文・類語

まど‐か【円か】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 古くは「まとか」。「か」は接尾語 )
  2. まるいさま。
    1. [初出の実例]「方言には筐の員(マトカ)なるを筥と曰ふ」(出典:蘇悉地羯羅経略疏寛平八年点(896)七)
  3. おだやかなさま。やすらかなさま。円満。安穏。
    1. [初出の実例]「楽しみ囿(マトカ)にして斑を馴つけ」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))

円かの語誌

( 1 )「まと」は「またし(全)」と同根で、円環が完成した状態を意味する。類義の語根に「まろ」があって、「まろに」「まろかす」「まろかる」などの語類を形づくっている。
( 2 )「まと」が円状をいうのに対して「まろ」は球状を意味したが、語形と意味の類似から、やがて両者は通じて用いられるようになる。
( 3 )室町期のキリシタン資料で普通に見られるのは、清音「まとか」で、この頃までは清音と濁音が共におこなわれていたことがうかがわれる。江戸時代以後濁音が一般化した。

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