冬瓜(読み)トウガン

デジタル大辞泉 「冬瓜」の意味・読み・例文・類語

とう‐がん【冬×瓜】

《「とうが」の音変化》ウリ科蔓性つるせい一年草。茎に巻きひげがあり、葉は手のひら状に裂けている。夏、黄色い雌花と雄花とが咲き、実は球状から長楕円状で長さ30~50センチ、主に煮て食べる。ジャワ原産で、古くから栽培。かもうり。とうが。 秋》「―やたがひにかはる顔の形/芭蕉
[類語]真桑瓜メロン西瓜烏瓜夕顔瓢箪糸瓜へちまふくべひさご胡瓜白瓜カボチャ唐茄子苦瓜

とう‐が〔‐グワ〕【冬×瓜】

とうがん(冬瓜)

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精選版 日本国語大辞典 「冬瓜」の意味・読み・例文・類語

とう‐が‥グヮ【冬瓜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ウリ科のつる性一年草。アジアの熱帯地方の原産で、日本には中国を通して古くから伝わった。多くは春に種子を播くが、冬に苗を植えて翌冬収穫することもある。茎や葉には毛が多く香気がある。葉は心臓形で掌状に浅く五~七裂する。雌雄同株。夏、葉腋にヘチマに似た黄色い花をつける。果実は大形の球状または楕円状で長さ三〇~四五センチメートル。果皮は淡緑色で熟すと蝋質の白い粉をかぶる。果肉は淡泊な味で煮たり漬物にしたりし、果皮はかんぴょうの代用わたは洗濯や化粧に用い、種子は利尿の効果がある。漢名、冬瓜。とうがん。かもうり。ちょうせんうり。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「将又冬瓜に進置候」(出典:新札往来(1367)上)
  3. 葉茶壺の分類名称。主に一四世紀に使われた。後の「洞香」と同じともいう。
    1. [初出の実例]「壺瓶部類。〈略〉冬苽、大海円壺」(出典:遊学往来(14C中‐後)上)

かも‐うり【冬瓜・氈瓜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. とうが(冬瓜)」の異名。《 季語・秋 》 〔本草和名(918頃)〕
    1. [初出の実例]「水なすびさへひやけするなり かもうりに何とて羽のなかるらん」(出典:俳諧・竹馬狂吟集(1499)六)
  3. 冬瓜は、白い粉を吹きつけたようになっているところから、霜の降りていること。
  4. ( と同じ理由から ) 女の下手な化粧(けしょう)のこと。

とう‐がん【冬瓜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 「とうが(冬瓜)」の変化した語。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「冬瓜やたがいにかはる顔の形〈芭蕉〉」(出典:俳諧・西華集(1699)坤)
  3. 植物、カボチャのこと。〔物類称呼(1775)〕

かも‐ふり【冬瓜】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふり」は近世の特殊な表記法実際は「うり」と読んだか ) 「とうが(冬瓜)」の古名。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「川加留 加母布利 冬瓜母々乃波奈」(出典:大同類聚方(808)四一)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「冬瓜」の解説

冬瓜 (トウガン・トウガ;トウゴウ)

学名Benincasa hispida
植物。ウリ科の一年生つる植物,園芸植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報