冷える(読み)ヒエル

デジタル大辞泉 「冷える」の意味・読み・例文・類語

ひ・える【冷える】

[動ア下一][文]ひ・ゆ[ヤ下二]
温度が下がってあたたかさが失われる。つめたくなる。また、気温がひどく下がる。つめたく、または寒く感じる。「腰が―・える」「―・えたビール」「朝晩は―・える」 秋》
あるものに対する熱意興味などがなくなってしまう。また、うまくいっていた関係がわるくなる。不況になることにも言う。「仲が―・える」「両国の関係が―・える」「消費が―・える」
[類語](1冷え冷えするひんやりするめる冷え切る冷え込むてるしばれる凍えるかじかむ寒い肌寒い薄ら寒い寒寒深深凜凜うそ寒い寒さ寒気寒波厳寒酷寒極寒余寒春寒はるさむ春寒しゅんかん寒の戻り冴え返る夜寒寒冷底冷え花冷え梅雨寒梅雨冷え/(2冷却する悪化する退歩退化後戻り進む進行する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「冷える」の意味・読み・例文・類語

ひ・える【冷】

  1. 〘 自動詞 ア行下一(ヤ下一) 〙
    [ 文語形 ]ひ・ゆ 〘 自動詞 ヤ行下二段活用 〙
  2. 温度が下がってあたたかみがなくなる。冷たくなる。ひえびえとする。ひややかになる。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「火をして滅し、湯をして冷(ヒエ)しむ」(出典:大智度論天安二年点(858)八九)
    2. 「露ふかき袖にひえつつあかすかなたれながき夜のかたきなるらん」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  3. 熱中する気持、情熱がさめる。また、興奮がさめる。
    1. [初出の実例]「江間君も其うちには冷(ヒ)えるから。冷(ヒ)えればお鶴と同じ心持になって来るから」(出典:第三者(1903)〈国木田独歩〉五)
  4. 互いの結びつきなどが弱くなる。うまくいっていた関係がわるくなる。
    1. [初出の実例]「養子との仲が冷えたのか、どうしたのか」(出典:大阪の話(1934)〈藤沢桓夫〉二)
  5. 能で、芸に淡々とした中に深い味わいがあり、冴えている。
    1. [初出の実例]「尺八の能に、尺八一手吹き鳴らいて、かくかくと謡ひ、様もなくさと入る、ひえにひえたり」(出典:申楽談儀(1430)序)
  6. 零落する。
    1. [初出の実例]「零落疲労してをちぶれひえた者のいた所か」(出典:玉塵抄(1563)五五)

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