冷泉(読み)レイセン

デジタル大辞泉 「冷泉」の意味・読み・例文・類語

れい‐せん【冷泉】

冷たい水の湧き出る所。
セ氏25度以下の鉱泉。→温泉鉱泉
[類語]出で湯温泉鉱泉間欠泉秘湯噴泉ラジウム泉名湯霊泉

れいぜい【冷泉】[姓氏]

藤原氏一族御子左家みこひだりけから分かれた歌道師範家の一。藤原為家の子為相ためすけを祖とする。その比較的自由な歌風京極家に近く、保守的な二条家と対立した。のちに上冷泉・下冷泉の両家に分かれ、現在に至る。

れいぜい【冷泉】

平安京の小路の一。二条大路北側を東西に通じていた。

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精選版 日本国語大辞典 「冷泉」の意味・読み・例文・類語

れいぜい【冷泉】

  1. [ 1 ] 平安京の東西に通じていた小路(こうじ)の一つ、冷泉小路のこと。大炊御門(おおいみかど)大路の南側、二条大路の北側に並行していた。現在の夷川(えびすがわ)通にほぼ相当する。れいぜん。れんぜい。れんぜん
  2. [ 2 ] ( 「れいぜいぶし(冷泉節)」の略 ) 浄瑠璃節の節章の一つ。無言の動作をするとき、また、叙情的な文句のときに用いる、はなやかさを持った優美な節。
    1. [初出の実例]「内より固くせかるれど〈冷泉〉遣手、禿の目を忍び」(出典:浄瑠璃・世継曾我(1683)二)

れい‐せん【冷泉】

  1. 〘 名詞 〙 つめたい水のわき出る泉。また、その水。特に、水温がその土地の年平均気温以下の地下水日本では摂氏二五度以下の地下水をいうことが多い。
    1. [初出の実例]「冷泉にして、久しく浸し漬る事あたはざる故」(出典:随筆・筆のすさび(1806)三)
    2. [その他の文献]〔梁昭明太子‐答晉安王書〕

れんぜい【冷泉】

  1. 〘 名詞 〙れいぜい(冷泉)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「れんぜいどのの御持仏堂のそばなる所にて」(出典:文机談(1283頃)四)

れいぜん【冷泉】

  1. れいぜい(冷泉)[ 一 ]

れいぜい【冷泉】

  1. 姓氏の一つ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「冷泉」の意味・わかりやすい解説

冷泉
れいせん
cold spring

多量の固形物質,ガス状物質または特殊な物質を含み,泉温 25℃未満の地中からの湧出水。日本では泉温 25℃以下のものであるが,イギリスドイツでは 20℃,アメリカでは 21.1℃以下のもの。この規定以上の泉温を有する湧水温泉として区分される。この分類は便宜的なもので,地下水の湧泉も冷泉とする場合もある。冷泉中には地下水が鉱化されたものも存在する。

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百科事典マイペディア 「冷泉」の意味・わかりやすい解説

冷泉【れいせん】

冷鉱泉とも。地中からわき出る泉水で,多量の固形物またはガス状物質を含むものを鉱泉といい,そのうち温度の高いものを温泉,低いものを冷泉という。その境界温度は25℃。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「冷泉」の解説

冷泉 れいせん

?-? 鎌倉時代女性
葉室顕頼の娘。「発心集」によれば,阿弥陀仏をえがくのを日課とした。出家して紀伊(きい)伊都郡(和歌山県)にすんだ。

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