出来合(読み)デキアイ

デジタル大辞泉 「出来合」の意味・読み・例文・類語

でき‐あい〔‐あひ〕【出来合(い)】

注文を受けて作るのではなく、すでに作ってあること。また、その品。既製。「出来合いの服」「出来合いで間に合わせる」⇔あつら
男女がひそかに情を通じること。密通
出来合い夫婦」の略。
有り合わせ。間に合わせ。
「この山の芋をとろろにして―の麦飯を進ぜうかい」〈浄・歌祭文
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精選版 日本国語大辞典 「出来合」の意味・読み・例文・類語

でき‐あい‥あひ【出来合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 注文を受けて作るのでなく、すでにできているもの。既製のもの。あつらえに対していう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「誂へなりと出来合なと、いざ召ませい」(出典:浄瑠璃・三浦大助紅梅靮(1730)一)
  3. にわか作りの粗末なもの。にわか仕立て。間にあわせ。ありあわせ。一時しのぎ。
    1. [初出の実例]「いくたりの男ころせる後家ならん いくさの太刀の出来合のさや〈貞晨〉」(出典:俳諧・口真似草(1656)一〇)
    2. 「出来合いの知識だけでは、ちょっと間に合いそうになかった」(出典:他人の顔(1964)〈安部公房〉黒いノート)
  4. 男女のひそかな情交。密通。野合
  5. できあいふうふ(出来合夫婦)」の略。
    1. [初出の実例]「『それで、その奥さんはお国からおもらひになったのですか〈略〉』『〈略〉勿論できあひです』」(出典:蔵の中(1918‐19)〈宇野浩二〉)

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