分圧(読み)ブンアツ(その他表記)partial pressure

デジタル大辞泉 「分圧」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐あつ【分圧】

混合気体成分気体が、単独で全体積を占めると仮定したときの圧力

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精選版 日本国語大辞典 「分圧」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐あつ【分圧】

  1. 〘 名詞 〙 混合気体を構成する各成分の気体が、それ自身で単独に全容積を占めたと仮定した場合の圧力。〔稿本化学語彙(1900)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分圧」の意味・わかりやすい解説

分圧
ぶんあつ
partial pressure

混合気体において,各成分の気体が混合気体と同体積を占めたと仮定したときに示す圧力をそれぞれの成分気体の分圧という。たとえば混合気体の体積,温度をそれぞれ VT ,各成分気体の分圧,モル数をそれぞれ,P1P2,…,Pnn1n2,…,nn とすると理想気体の状態方程式 P1Vn1RTP2Vn2RT,…,PnVnnRT ( R気体定数) の成立する P1P2,…,Pn をそれぞれの成分気体の分圧という。分圧の総和が混合気体の示す圧力 (全圧 ) となる。すなわち P1P2+…+PnP (全圧) である。前述の各成分気体の状態方程式を加算すると,(P1P2+…+Pn)V=(n1n2+…+nn)RT が成り立つ。したがって PVnRT ( n は混合気体の総モル数) となる。これをドールトンの法則という。各成分気体が理想気体であり,分子間相互作用がないために,それぞれの分子がすべて独立に気体分子として働くと考えたとき得られる当然の結果である。

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改訂新版 世界大百科事典 「分圧」の意味・わかりやすい解説

分圧 (ぶんあつ)
partial pressure

ある体積を占める気体混合物の圧力は,各成分気体が単独で同じ体積を占めるときに示すはずの圧力の和として与えられる。この各成分気体の圧力を分圧と呼ぶ。たとえば,空気はほぼ窒素4容,酸素1容の混合物だから,1気圧の空気中の窒素気体の分圧は4/5気圧,酸素気体の分圧は1/5気圧となる。混合気体の圧力が分圧の和で与えられるとき,〈ドルトンの法則〉に従うという。混合によって化学反応を起こす気体(たとえばアンモニアと塩化水素ガス)はこの法則に従わない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「分圧」の意味・わかりやすい解説

分圧
ぶんあつ
partial pressure

混合気体をつくる成分気体が、ほかの成分を取り除いて、それ自身で全体積を占めたと仮定したときに示す圧力を、その成分気体の分圧という。すなわち混合気体中の成分気体の含まれている割合である。これに対し、このときの混合気体の圧力を全圧total pressureという。全圧は分圧の和に等しく、これらの間にはドルトンの法則が成立する。

[中原勝儼]

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百科事典マイペディア 「分圧」の意味・わかりやすい解説

分圧【ぶんあつ】

混合気体において,その混合気体で占めている全容積をそれぞれの成分気体だけで占めるときに示す圧力。たとえば空気は窒素と酸素の体積の比が4対1であるから,1気圧の窒素の分圧は5分の4気圧,酸素の分圧は5分の1気圧となる。なお,分圧に対して混合気体の圧力を全圧という。→ドルトンの法則
→関連項目質量作用の法則ヘンリーの法則

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化学辞典 第2版 「分圧」の解説

分圧
ブンアツ
partial pressure

混合気体全体が占めている体積をある成分気体のみが占めたとしたときに示す圧力を,その成分気体の分圧という.IUPACでは,一つの気体混合物中のA物質の分圧を pAモル分率xA,全圧をPとするとき,

pAxAP
で分圧を定義している.[別用語参照]分圧の法則

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