精選版 日本国語大辞典 「分数」の意味・読み・例文・類語
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自然数m、nについて、1をm等分したものをn個集めた大きさを、横線を用い、その下にm、その上にnを書いて、
のように表す。これが分数である。分数n/mで、mを分母、nを分子という。また分数n/mは、分子nを分母mで割った商とみられる。つまりn÷m=n/mである。
分子が1である分数を単位分数という。n/mは、単位分数1/mのn個の和といえる。分子と分母の等しい分数m/mは1に等しい。分子が分母より小さい分数は1より小さく、真分数(しんぶんすう)といい、分子が分母より大きい分数は1より大きく、仮分数(かぶんすう)という。つまり分数n/mは、nがmより小さいとき真分数、nがmより大きいとき仮分数である。分数と整数の和、たとえば2/3と4の和を、+記号を省略し、整数と分数を並べて、
のように表す。これも分数に入れて、帯分数(たいぶんすう)という。1より大きい仮分数は帯分数に表すことができる。また逆に、帯分数は、たとえば
のように仮分数に表すことができる。
自然数自身、分数の特別なものとみることができる(例 2=6/3)。
分数には、表し方が違うが、同じ大きさのものがある(例 2/3=4/6=6/9=8/12)。ある分数の分子、分母に同じ整数を掛けると等しい分数が得られる。また分子、分母が公約数をもつとき、それで分子、分母を割ると等しい分数が得られる。これを約分という。
例 10/15=(5×2)/(5×3)=2/3
二つの分数n/mとs/rが等しいのは、n×r=m×sのときである。分母の違う分数がいくつかあるとき、分母が同じで、それぞれ等しい分数に表すことができる。これを通分という。
例 (2/3,5/8)=(16/24,15/24)
分母が同じ分数は、分子が大きいほうが大きい。分母が違う分数では、通分して分母を同じに表してから比べればよい。
分数の四則計算は、次のようになされる。
分母の同じ二つの分数の和・差は、その分母を分母とし、分子の和・差を分子とする分数である。
分母が違う分数の和・差は、通分して分母が同じ分数に表し、前記の方法で計算する。
二つの分数の積は、それぞれの分母の積を分母とし、分子の積を分子とする分数である。
分数の商は、割られるほうの分母と割るほうの分子の積を分母とし、割られるほうの分子と割るほうの分母の積を分子とする分数である。
分数n/mに対し、その分母と分子を入れ替えた分数m/nを、元の分数の逆数という。分数の商は、割られる分数と、割る分数の逆数の積として求められる。帯分数の積・商は、それぞれを仮分数に表してから、前記の方法で計算する。
分数は、自然数の商からさらに拡張して考えられる。整数nを0でない整数mで割った商を考え、n/mと表す。このとき、計算についての規約から、分母のmの符号はいつでも正とすることができる。そして、分子nが正のときが正の分数、負のときが負の分数である。
分数の分母や分子が分数であることもある。これを繁分数(はんぶんすう)という。
例 (2/3)/(4/5)、これは2/3÷4/5のことである。
さらに分母や分子が無理数のこともある。/
などがそれで、このとき、それと同じ大きさで、分母を有理数のものに表すことができる。これを分母の有理化という。分母の有理化の際は、分子、分母に同じ数を掛けても分数の大きさが同じであることを使う。
例1 3/では、分母の
について、(
)2=2であることから、分子と分母に
を掛ける。
例2 2/(
+1)では、(a+b)(a-b)=a2-b2の公式を利用し、分子と分母に(
-1)を掛ける。
[三輪辰郎]
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[数概念の発達]
数概念の出発は,個数を数えることから自然数の概念に到達することであり,いろいろな古代文明において,その段階には到達していた。次の段階は正の分数であるが,この発展については地域による差が大きかった。中国ではずいぶん古くから自然数の十進法による表記法が整い,掛算の九九も整っていて,分数も〈何分之何〉という言い方で,われわれと同様な理解をしていた(九九という語は,古代中国の九九の表が〈九九八十一〉から始まっていたことによる)。…
※「分数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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