刑法官(読み)けいほうかん

精選版 日本国語大辞典 「刑法官」の意味・読み・例文・類語

けいほう‐かんケイハフクヮン【刑法官】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 司法をつかさどる役人。特に、裁判官
    1. [初出の実例]「刑法官議政官為政官の如きは其職務に堪ゆべき人物を選び」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二)
  3. 明治時代の初期に、刑罰をつかさどった官吏
    1. [初出の実例]「明治中興の後刑法官(ケイハウクヮン)を置き、囚獄の事は仍ほ徳川氏の旧制に仍りて之を処分し」(出典風俗画報‐一七五号(1898)永楽町)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「刑法官」の解説

刑法官
けいほうかん

明治初期の司法権を担当した政府機関。1868年(明治元)閏4月の政体書発布にともない京都に設置された。同年10月の東京移転までに捕亡(ほぼう)・鞫獄(きくごく)・監察の3司を備えたが,民事裁判は民部省が管轄したままで,刑事裁判についても各府藩県の裁判所に対し刑の適用の大枠を示す程度の機能をはたすにすぎなかった。翌69年5月には監察司が独立して弾正台となり,7月刑法官は司法省前身にあたる刑部(ぎょうぶ)省へと改組された。

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旺文社日本史事典 三訂版 「刑法官」の解説

刑法官
けいほうかん

明治初期の司法機関。政体書による太政官制七官の一つ
1868年設置。監察・裁判・警察をつかさどり,4年を任期とした。政体書の総則では三権分立の原則をかかげるが,官制では刑法官は事実上行政官である輔相から独立していない。'69年刑部省と改称。

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