精選版 日本国語大辞典 「前奏曲」の意味・読み・例文・類語
ぜんそう‐きょく【前奏曲】
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導入的性格をもつ器楽曲。時代や地域によって様式や形式がまったく異なる。(1)古くは、リュートやオルガンなどの楽器の調律を確認したり、合唱に曲の旋法や音高を教えるために即興で奏された。15世紀ごろから、華麗な走句と和音が交代する独立した作品が現れる。(2)17世紀から18世紀にかけては、舞踊組曲の冒頭楽章として重要な役割を果たす。ドイツでは対位法による緊密な書法が多いのに対して、フランスでは「拍節のない前奏曲prélude non mesuré」とよばれる即興的性格の強いタイプが好まれた。(3)同じころ、北ドイツのオルガン奏者は、フーガと組み合わせた独特の形式を発展させていた(J・S・バッハ作曲『プレリュードとフーガ』BWV531~552、『平均律クラビーア曲集』二巻)。この形は18世紀後半に一度姿を消すが、19世紀中ごろのバッハ再発見とともに復活、メンデルスゾーン、ブラームス、フランク、レーガーのピアノ曲やオルガン曲にその例がみられる。(4)17、18世紀のドイツ・プロテスタント(ルター派)のオルガン曲では、コラール旋律を用いた小品(コラール前奏曲)という新しい形式が生まれた。(5)19世紀に入ると、前奏の機能をもたない作品が登場する。とくにショパンの『24の前奏曲』(1836~39)以後、24の長短調を用いたピアノ曲集が書かれるようになった(ラフマニノフ、アルカン)。ドビュッシーの二巻の『前奏曲集』(1909~10、1910~12)では、各巻の12曲それぞれに『亜麻(あま)色の髪の乙女』などの標題が付されている。また、リストの交響詩『前奏曲』や、ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』のように、独立した管弦楽曲もある。(6)なお、ワーグナー以後、オペラ全体もしくは各幕の序曲に、このことばが用いられている(ワーグナーの『ローエングリン』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『トリスタンとイゾルデ』をはじめ、ベルディ、マイヤベーアなど)。
[関根敏子]
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…また,19世紀フランスのオペレッタでは,オペラのアリアの旋律をつなぎ合わせたポプリ形式の序曲も生まれている。W.R.ワーグナーは《ローエングリン》(1848)以後の楽劇において,序曲に代わり,各幕の前奏という意味で〈フォアシュピールVorspiel(前奏曲)〉の語を採用している。 そのほか,劇音楽や祝祭用,または演奏会目的でこの名をもつ作品が書かれており,ベートーベンの《エグモント》序曲,《命名祝日》序曲,メンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》序曲,ブラームスの《大学祝典序曲》,チャイコフスキーの幻想的序曲《ロメオとジュリエット》,ドボルジャークの《謝肉祭》を含む序曲三部作が有名である。…
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