品詞の一つであるが、他の品詞との境界が不鮮明である。言語により状況が異なるので、以下日本語についてのみ述べる。
[国広哲弥]
動詞修飾「ゆっくり歩く」。形容詞修飾「とても美しい」。副詞修飾「なるべく早く」。文修飾「たしかにあの人です」。名詞修飾「すぐ上、もっと右、たった一つ、ずっと以前」。「の」を介して名詞につく「まさかの時、あいにくの雨、突然のお願い」。「だ・か」などの前で述語となる「あいにくだね、まだか」。次に「結果の副詞」という現象がある。「黒く染める、ぼろぼろに裂く」。「穴が大きくあく」は「結果の形容詞」と関連している。「大きな穴があく」。
[国広哲弥]
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…しかし〈ある(人)〉〈この(本)〉などの修飾語は被修飾語の体言を外面的に特定化するのみであって,ここに用いられる連体詞なるものは連体修飾語たることを唯一の機能とする品詞である。 一方,連用修飾語たることを本来の機能とする品詞は副詞であるが,そのうち〈ゆっくり(歩く)〉などの状態副詞は,連用修飾語として用いられた形容詞・形容動詞(各副詞形),動詞(+助動詞・助詞)などと同様に,自らある性質・状態を表して,被修飾語である動詞の動作の様態を説明する。これに対し〈はなはだ(美しい)〉〈もっと(ゆっくり)〉などの程度副詞は,被修飾語の表す性質・状態の程度を示す。…
…これに対して〈虚詞〉は単独ではそのような具体的なイメージをもたらさない。その表す意味は〈空霊〉で,実詞のはたらきを助けて話者の意志または情念を伝達するものであり,副詞や連詞や介詞や語気助詞(単に〈助詞〉と呼ぶ人がある)などがこれに属する。日本の漢学者のいう〈助字〉の範囲はいっそう広く,代名詞などをも含めることがある(中国の学者にも同様の説をなす人があった)。…
…日本語でよくいわれる助動詞(〈タ〉とか〈レル,ラレル〉)は,確かにある範疇を形成しているようであるが,その内部にいくつかの下位範疇が(しかも,数少ない単語を分け合う形で)存在していると思われる。
[副詞]
動詞を中心とした述語のあらわす運動・動作などの様態や,起こった(起こる)時刻,場所などをはっきり表す単語が一つの範疇を形成する場合,〈副詞〉という名称が与えられることが多い。ただし,そうした事象の表し方は言語によってかなり変異しうる。…
※「副詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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