精選版 日本国語大辞典 「加水分解」の意味・読み・例文・類語
かすい‐ぶんかい【加水分解】
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水溶液中の溶質が水分子と反応しておこす分解反応をいい水解ともいう。水に限らず、溶液中で溶質と溶媒分子とでおこる分解反応は加溶媒分解ソルボリシスsolvolysisという。
弱酸HAと強塩基MOHの塩MAの水溶液ではA-イオン(陰イオン)が、一部水分子と反応して水酸化物イオンを生じ(式1)、また強酸HXと弱塩基BOHの塩BXの場合は、B+イオン(陽イオン)が反応して水素イオンを生ずる(式2)。
これらの平衡を加水分解平衡といい、MA塩の溶液は塩基性、BX塩の溶液は酸性を呈する。Al3+、Fe3+などの多価金属イオンの強酸塩を水に溶かすと、これらの金属イオンは加水分解を受ける。
加水分解が進行すると水酸化物になり、コロイド化したり、沈殿になったりする。
脂肪、エステル、酸アミド、タンパク質、ペプチド、糖などの有機化合物も加水分解を受けるが、一般に水分子がHとOHに分かれる複分解反応の形式をとる。エステルの加水分解を例にとると、
となるが、反応速度は比較的遅く、酸や塩基が触媒となることが多い。有機合成や工業化学におけるとともに、生化学においても加水分解酵素が触媒となる重要な反応が知られている。
[岩本振武]
【Ⅰ】金属イオンあるいは有機塩などと水との酸塩基反応をいう.一般に可逆的であり,次のような例がある.
[Al(H2O)6]3+ + H2O [Al(H2O)5OH]2+ + H3O+
CH3COO- + H2O CH3COOH + OH-
【Ⅱ】エステル,アミド,ニトリルなどでC-O結合やC-N結合が開裂し,両成分にそれぞれHとOHあるいは H2 とOが付加した形の生成物を与える反応をいう.次のような例がある.
RCOOR′ + H2O → RCOOH + R′OH
RCONHR′ + H2O → RCOOH + R′NH2
RCN + 2H2O → RCOOH + NH3
加水分解反応は,酸,塩基,酵素によって促進される.工業的にも,油脂からの脂肪酸とグリセリンの製造,デンプンからのグルコースの製造など重要な反応がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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