加賀象嵌(読み)かがぞうがん

精選版 日本国語大辞典 「加賀象嵌」の意味・読み・例文・類語

かが‐ぞうがん‥ザウガン【加賀象嵌・加賀象眼】

  1. 〘 名詞 〙 加賀国(石川県南部)に発達した象嵌。主として平象嵌(ひらぞうがん)糸象嵌(いとぞうがん)を用いたもので、ことに平象嵌した文様の上に、細い線で糸象嵌する点に特色がある。江戸初期、京都の装剣金工が加賀に伝えた。

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デジタル大辞泉プラス 「加賀象嵌」の解説

加賀象嵌

石川県金沢市を中心に生産される金工品。加賀藩2代藩主・前田利長が京都から職人を招いて装剣技術を開発させたのが起源と伝わる。武具、特に鐙(あぶみ)は名品として世に知られた。明治維新後に一時期衰えたが、花瓶香炉茶道具などの製造復興

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世界大百科事典(旧版)内の加賀象嵌の言及

【象嵌】より

…鶴岡八幡宮蔵の鎌倉時代の擬宝珠には,亀甲菱文を平象嵌と糸象嵌であらわしている。なお加賀象嵌はおもに糸象嵌,平象嵌の手法を用いたもので,桃山時代末に京都の象嵌工が前田侯に招かれ,代々世襲した。(3)布目象嵌 鏨で地金に細かい縦横の布目の筋を彫り,上から金属をたたき込んで貼り付ける技法である。…

※「加賀象嵌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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